第14期全国人民代表大会常務委員会第7回会議は12月29日、改正会社法を可決することを決議した。
これは、2024年7月1日に施行される。
会社法改定のポイント
資本金について
2024年7月1日以降に設立した会社は、設立から5年以内に資本金を支払う必要がある。
それ以前に設立した会社は、8年以内に資本金を支払う必要がある。
改正会社法は、一般規定、会社登記、合同会社の設立と組織、有限責任会社の持分移転、有限責任会社の設立と組織、株式による有限責任会社の株式の発行と譲渡、国営会社の組織に関する特別規定、会社の取締役、監督者、上級管理職の資格と義務、社債、コーポレートファイナンス、会計、会社の合併、分割、増資と減資、会社の解散と清算、 外国企業の支店、法的責任、定款。
改正会社法は、この法律が会社の組織と行動を規制し、会社、株主、従業員、債権者の正当な権利と利益を保護し、中国の特色ある現代企業システムを改善し、企業家精神を促進し、社会経済秩序を維持し、社会主義市場経済の発展を促進するために、憲法に従って策定されることを明確に述べている。
1
法定代理人制度
法定代理人は、法律で定められているように、会社を社内外に代表する自然人です。
法定代理人は、会社を代表して契約を締結し、会社を代表して仲裁や訴訟に参加し、会社の業務執行権の一部を社内で享受することができます。
会社の活力を刺激し、法定代理人の行動を標準化するために、法定代理人の選任範囲を拡大し、その経済的責任を明確化しました。
「法定代理人が職務の遂行により他人に損害を与えた場合、会社は民事責任を負うものとします。 会社が民事責任を負った後、法律または定款の規定に従って、過失のある法定代理人から補償を回収することができます。
したがって、会社の法定代理人の権利と義務は平等であり、その責任は経済的責任だけでなく刑事責任でもあります。
2.
会社は、労働者会議などの従業員のための民主的な管理組織を設立しなければならない。
民主的な管理システムを改善し、従業員の正当な権利と利益を効果的に保護するために、会社は従業員会議などの民主的な管理形態を確立し、それに対応する権限を与える必要があります。
すなわち、「会社は、憲法及び関連法令の規定に従い、労働者会議を基本形態とする民主的経営体制を確立・改善し、労働者代表大会等を通じて民主的経営を実施する」というものである。
会社は、組織再編や運営上の重要課題を検討・決定し、重要な規則を策定する際には、会社の労働組合の意見に耳を傾け、労働者会議等を通じて従業員の意見や提案に耳を傾けなければならない。
したがって、会社が従業員の主要な権利と利益にかかわる場合、従業員の意見に耳を傾けなければならず、そうでなければ、会社の決議またはシステムが無効になる可能性があります。
3.
「企業のベールを突き破る」株主の範囲が拡大会社の資産は株主の資産とは別のものです。
株主が自己の権利を濫用し、会社の他の関係者の利益を著しく害した場合、株主は会社の債務に対して連帯して責任を負うものとします。
つまり、「会社の株主が会社の法人の独立性および株主の有限責任を濫用して債務を回避し、会社の債権者の利益を著しく損なう場合、彼は会社の債務に対して連帯して責任を負うものとします」。
株主が前項に定める行為をするために二以上の支配下会社を利用するときは、各会社は、そのいずれかの会社の債務について連帯して責任を負う。
したがって、株主、特に他の会社のコントローラーは「会社の利己主義を損なう」ことはできません。
4.
登録資本金は5年以内に支払わなければならず、そうでなければ「その権利を失う」ことになります。
起業を奨励するため、当初の会社法では払込資本金の期間が定められておらず、実際には「水噴射会社」が多く存在し、ステークホルダーの利益を損ない、登録資本金に対する信頼を低下させていました。
すべての株主が引き受けた出資額は、定款の定めに従い、会社設立の日から5年以内に株主が全額支払うものとします。
「合同会社の設立後、取締役会は株主の出資を確認し、株主が定款に定められた出資を期限内に支払っていないことが判明した場合、株主に出資を求める督促状を発行するものとします。
「会社は、前条第一項の規定により出資の支払を催促する催促書を発したときは、出資の支払の猶予期間を定めることができる。 猶予期間は、当社が督促状を発行した日から60日以上とする。
猶予期間が満了しても株主が出資の義務を履行しない場合、会社は株主に権利喪失通知を発行することができ、その通知は書面で発行されるものとし、株主は通知の発行日から出資を支払わなかった株主の持分を失うものとします。
したがって、会社の株主は会社の登録資本を再検討する必要があり、5年以内にその場で支払うことができない場合は、会社の資本の不必要な負担と株主の権利の喪失を防ぐために、タイムリーに減資手続きを通じて登録資本を減らす必要があります。
5、
株主の監査権が改善されたことです。
株主の会計監査権は株主の知る権利の前提であり、株主、特に少数株主にとっては、企業情報の非対称性のために権利が損なわれることが多く、救済策がないなど、株主を行使するために必要な手続きでもあります。
新法では、「株主は会社の会計帳簿及び会計伝票の閲覧を請求することができる。
株主は、会社の会計帳簿および会計伝票の閲覧を請求した場合、目的を記載した請求書を会社に提出しなければなりません。
会社は、株主による会計帳簿及び会計伝票の閲覧が不当な目的を有し、当社の正当な利益を害するおそれがあると信ずるに足りる合理的な根拠を有する場合には、当該検査を拒絶することができるものとし、株主の書面による請求の日から15日以内に、書面で株主に回答し、その理由を説明しなければならない。
会社が検査を拒否した場合、株主は人民法院に訴訟を起こすことができます。
株主は、会計事務所、法律事務所その他の仲介機関に前項に規定する資料の閲覧を委託することができる。
したがって、会社はすべての株主の検査権を実現するために、できるだけ早く財務会計システムを改善することをお勧めします。
同時に、株主自身が金融法知識を持っていない場合は、専門家を雇って一緒に確認することができます。
6、
社債に関する関連規制の整備です。
新法は、まず、国務院の制度改革計画に関する決定に従って、国務院の制度改革計画の決定に従って、社債の審査と承認を中国証券監督管理委員会(CSRC)に移管するという国家発展改革委員会(NDRC)の要件に従って、国務院が認可した部門による公債の登録に関する規定を削除することを規定しています。
第二に、社債は公売でも非公売でもよいことが明確化されています。
第三は、債券の半券帳簿を債券保有者名簿に変更することです。
第四に、転換社債を発行する会社は、上場会社から株式有限責任会社に拡大されます。
第五に、社債権者集会の決議の規則と効果が追加され、債券受託者の関連規定が追加されます。
7.
会社の登録抹消手続きの簡素化を追加市場の本体を浄化するために、市場資源を最大限活用する。
新法では、市場主体の効果的な前進・退却管理を実施し、「死んだ会社」の出現を防止するために、「会社がその存在中に債務を負っていない場合、またはすべての債務を完済している場合、会社はすべての株主のコミットメントにより簡素化された手続きを通じて登録抹消することができる」という簡素化された登録抹消手続きが追加されています。
簡易手続きによる企業登録の抹消は、統一された企業情報広報システムを通じて公告されなければならず、公示期間は20日以上でなければなりません。
公告期間満了後、異議がなければ、会社は20日以内に会社登録機関に会社登録の抹消を申請することができます。
したがって、会社が登録抹消の条件を満たしている場合は、不必要な連帯責任や複数の法的責任を防ぐために、タイムリーに登録抹消することをお勧めします。
8.
会社の信頼できない行為は誠実さの記録に含まれており、誠実な管理は企業の基盤です。
一部の不正企業については、事業活動において誠実で信頼できる企業でなければならないと規定されており、会社の違法行為、契約違反、その他の信用できない行為を信用力記録に含め、一般に公開する必要があると規定するなど、信用力記録の法的責任に関する章の規定を設けることが推奨されています。
9.
実務上、企業幹部の報酬に制限規定を設けるなど、「企業倒産と上級幹部が大儲けする」という現象が起きているが、民間企業の上級幹部の報酬については、関連する拘束力のある規定はない。
国家共栄戦略の実施を円滑に進めるため、所得分配格差の縮小の観点から、会社法改正案に企業役員の報酬制限の内容を適宜盛り込むことが推奨される。
10.
法的責任に関する関連規定を改善し、規定を追加し、登録資本金を虚偽に申告したり、虚偽の資料を提出したり、その他の詐欺的な手段を使用して重要な事実を隠蔽したりして会社登録を取得した直接責任者およびその他の直接責任者に10,000〜50,000元の罰金を科します。 会計法、資産鑑定法等に違反する違法行為は、会計法、資産鑑定法、公認会計士法その他の法令及び行政規則の規定に従い処罰する。
中華人民共和国会社法
(2006 年 1 月施行)
原文
http://www.gov.cn/flfg/2005-10/28/content_85478.htm
1
会社法
[中华人民共和国公司法]
(全国人民代表大会常務委員会1993年12月29日制定、同日公布、1994年7月1日施行。全国
人民代表大会常務委員会1999年12月25日第一次改正、同日公布、同日施行。全国人民代表
大会常務委員会2004年8月28日第二次改正、同日公布、同日施行。全国人民代表大会常務委
員会2005年10月27日改正、同日公布、2006年1月1日施行)
目 次
第1章 第1条~第22条
第2章 有限責任会社の設立及び組織機構
第1節 設立(第23条~第36条)
第2節 組織機構(第37条~第57条)
第3節 一人有限責任会社に関する特別規定(第58条~第64条)
第4節 国有独資会社に関する特別規定(第65条~第71条)
第3章 有限責任会社の持分譲渡(第72条~第76条)
第4章 株式会社の設立及び組織機構
第1節 設立(第77条~第98条)
第2節 株主総会(第99条~第108条)
第3節 董事会、総経理(第109条~第117条)
第4節 監事会(第118条~第120条)
第5節 上場会社組織機構に関する特別規定(第121条~第125条)
第5章 株式会社の株式発行及び譲渡
第1節 株式の発行(第126条~第137条)
第2節 株式の譲渡(第138条~第146条)
第6章 会社の董事、監事及び高級管理職員の資格及び義務(第147条~第153条)
第7章 社債(第154条~第163条)
第8章 会社の財務、会計(第164条~第172条)
第9章 会社の合併、分割、増資、減資(第173条~第180条)
第10章 会社の解散及び清算(第181条~第191条)
第11章 外国会社の支店等(第192条~第198条)
第12章 法律責任(第199条~第216条)
第13章 附則(第217条~第219条)
第1章
第1条(目的)
会社の組織及び行為を規範化し、会社、株主(原文は「股東」) ※1 及び債権者の適法な権益を保護し、社会経済秩序を維持し、社会主義市場経済の発展を促進するため、本法を制定する。
第2条(定義)
本法において会社とは、本法により中国国内に設立される有限責任会社及び株式会社を指す。
第3条(法人性、有限責任)
会社は企業法人であり、独立の法人財産を有し、法人財産権を有する。会社はそのすべての財産をもって会社の債務について責任を負う。
有限責任会社の株主は、その引き受けた出資額を限度として会社に対して責任を負う。株式会社の株主は、その引き受けた株式を限度として会社に対して責任を負う。
第4条(株主の権利)
会社の株主は、法に従い資産の受益、重要な意思決定への参加及び管理者の選出等の権利を享有する。
第5条(経営活動の原則)
会社が経営活動を行うにあたっては、法律と行政法規を遵守し、社会公徳と商業道徳を遵守し、誠実に信用を守り、政府及び社会公衆の監督を受け入れ、社会的責任を負わなければならない。
会社の適法な権益は、法律の保護を受け、侵害されない。
第6条(設立の登記)
会社を設立する場合は、法に従い会社登記機関に設立登記を申請しなければならない。本法に定める設立条件に合致する場合は、会社登記機関はそれぞれ有限責任会社又は株式会社として登記する。本規定に定める設立条件に合致しない場合は、有限責任会社又は株式会社として登記してはならない。
法律、行政法規において会社設立について認可を求めなければならないと定めている場合は、会社の登記の前に法に従い認可手続を行わなければならない。
公衆は、会社登記機関に対し会社登記事項について閲覧を申請することができ、会社登記機関は、閲覧サービスを提供しなければならない。
第7条(営業許可証)
本法に従い設立された会社には、会社登記機関が会社営業許可証を発行する。
会社営業許可証の発行日を会社の成立日とする。
会社営業許可証には、会社の名称、住所、登録資本、実際に払い込まれた資本、経営範囲、法定代表者の氏名等の事項を記載しなければならない。
会社営業許可証に記載されている事項に変更が生じた場合には、会社は法に従い変更登記手続を行い、会社登記機関が営業許可証を交換発行するものとする。
第8条(商号)
本法により設立された有限責任会社は、会社の名称に有限責任会社又は有限会社の文字を明示しなければならない。
本法により設立された株式会社は、会社の名称に株式有限会社又は株式会社の文字を明示しなければならない。
第9条(会社形態の変更)
有限責任会社を株式会社に変更する場合は、本法に定める株式会社の条件を満たさなければならない。株式会社を有限責任会社に変更する場合は、本法に定める有限責任会社の条件を満たさなければならない。
有限責任会社を株式会社に変更する場合、又は株式会社を有限責任会社に変更する場合は、会社の変更前の債権及び債務は変更後の会社が承継する。
第10条(住所)
会社は、その主たる事務機構の所在地を住所とする。
第11条(定款)
会社を設立する場合は、本法に従い会社定款を制定しなければならない。会社定款は、会社、株主、董事、監事、高級管理職員に対して拘束力を有する。
第12条(経営範囲)
会社の経営範囲は会社定款に定め、かつ法により登記する。会社は会社定款を修正して、経営範囲を変更することができるが、変更登記を行わなければならない。
会社の経営範囲のうち、法律、行政法規に認可を受けなければならない旨が定められている項目については、法により認可を得なければならない。
第13条(法定代表者)
会社の法定代表者は、会社定款の規定に従い、董事長、執行董事又はマネージャー(原文は「経理」)が就任し、かつ法に従い登記する。会社の法定代表者を変更する場合は、変更登記手続を行わなければならない。
第14条(支店及び子会社)
会社は支店を設立することができる。支店を設立する場合は、会社登記機関に対し登記を申請し、営業許可証を受領しなければならない。支店は法人格を有せず、その民事責任は会社が負う。
会社は子会社を設立することができ、子会社は法人格を有し、法により独立して民事責任を負う。
第15条(投資)
会社は、その他の企業に対し投資することができるが、法律に別段の規定がある場合を除き、投資先企業の債務につき連帯責任を負う出資者となってはならない。
第16条(投資又は担保提供についての決議)
会社がその他の企業に投資し、又は他人のために担保を提供する場合は、会社定款の規定に従い、董事会、株主会又は株主総会が決議する。会社定款が投資又は担保の総額及び個別の投資又は担保の金額について限度額を定めている場合は、その所定の限度額を超えてはならない。
会社が会社の株主又は実質支配者のために担保を提供する場合は、株主会又は株主総会の決議を経なければならない。
前項に定める株主又は前項に定める実質支配者の支配を受ける株主は、前項に定める事項に関する議決に参加してはならない。かかる議決は会議に出席するその他の株主の保有する議決権の過半数によって採択する。
第17条(従業員に対する義務)
会社は、従業員の適法な権益を保護し、法に従い従業員と労働契約を締結し、社会保険に加入し、労働保護を強化し、安全生産を実現させなければならない。
会社は、多様な形式を用いて、会社従業員の職業教育及び職務訓練を強化し、従業員の資質を向上させるものとする。
第18条(労働組合)
会社の従業員は、「中華人民共和国労働組合法」に従い労働組合を結成し、労働組合活動を行い、従業員の適法な権益を維持保護する。会社は、自社の労働組合に必要な活動条件を提供しなければならない。会社の労働組合は、従業員を代表して、従業員の労働報酬、(森・濱田松本法律事務所翻訳 2005 年 11 月 14 日版)
労働時間、福利、保険及び労働安全衛生等の事項について法により会社と集団契約を締結する。
会社は、憲法及び関連する法律の規定に基づき、従業員代表大会又はその他の形式を通じて、民主的な管理を実行する。
会社が再編及び経営に関する重大問題を検討して決定する、又は重要な規則制度を制定する場合は、会社の労働組合の意見を聴取し、かつ従業員代表大会又はその他の形式を通じて従業員の意見及び提案を聴取しなければならない。
第19条(共産党の活動)
中国共産党規約の規定に基づき、会社内に中国共産党の組織を設立し、党の活動を行うものとする。会社は党組織の活動のために必要な条件を提供しなければならない。
第20条(株主の権利濫用の禁止)
会社の株主は、法律、行政法規及び会社定款を遵守し、法に従って株主の権利を行使しなければならず、株主の権利を濫用して会社又はその他の株主の利益を損なってはならず、会社法人の独立的地位及び株主の有限責任を濫用して会社の債権者の利益を損なってはならない。
会社の株主が株主の権利を濫用して会社又はその他の株主に損害をもたらした場合は、法に従い賠償責任を負わなければならない。
会社の株主が会社法人の独立的地位及び株主の有限責任を濫用して、債務を逃れ、会社の債権者の利益を著しく損なった場合は、会社の債務に対して連帯して責任を負わなければならない。
第21条(支配株主等の地位濫用の禁止)
会社の支配株主、実質支配者、董事、監事、高級管理職員はその関連関係の地位を利用して会社の利益を損なってはならない。
前項の規定に違反し、会社に損害をもたらした場合は、賠償責任を負わなければならない。
第22条(決議等の法律違反)
会社の株主会、株主総会又は董事会が決議した内容が法律又は行政法規に違反する場合は、これを無効とする。
株主会、株主総会又は董事会の会議招集手続又は議決方式が法律、行政法規又は会社定款に違反する場合、又は決議の内容が会社定款に違反する場合は、株主は決議が出された日から60日以内に人民法院に取消を請求することができる。
株主が前項の規定に従い訴訟を提起した場合は、人民法院は会社の請求に応じて株主に相当の担保を提供するよう要求することができる。
会社が株主会、株主総会又は董事会の決議に基づきすでに変更登記を行った場合は、人民法院がかかる決議の無効を宣告し、又はかかる決議を取消した後に、会社は会社登記機関に対し変更登記の取消を申請しなければならない。
第2章 有限責任会社の設立及び組織機構
第1節 設立
第23条(設立条件)
有限責任会社を設立する場合、下記の条件に合致しなければならない。
(1) 株主が法定の員数を満たしていること
(2) 株主の出資額が法定資本の最低限度額に達していること
(3) 株主が共同で会社定款を制定していること
(4) 会社の名称があり、有限責任会社の要求を満たす組織機構が確立されていること
(5) 会社の住所を有すること
第24条(株主総数)
有限責任会社は、50以下の株主が出資して設立する。
第25条(定款必須記載事項)
有限責任会社の定款には下記の事項を記載しなければならない。
(1) 会社の名称及び住所
(2) 会社の経営範囲
(3) 会社の登録資本金
(4) 株主の氏名又は名称
(5) 株主の出資方式、出資額及び出資日
(6) 会社の機構及びその設置方法、職権、議事規則
(7) 会社の法定代表者
(8) 株主会会議が記載する必要があると認めるその他の事項
株主は会社定款に署名、捺印しなければならない。
第26条(登録資本金最低限度額)
有限責任会社の登録資本金は、会社登記機関に登記した全株主の引き受けた出資額とする。会社の全株主の初回出資額は、登録資本の 20 パーセントを下回ってはならず、また法に定める登録資本最低限度額を下回ってはならないものとし、その残りの部分は株主が会社成立日から 2 年以内に全額払い込まなければならない。投資会社は 5 年以内に全額を払い込めばよい。
有限責任会社の登録資本の最低限度額は、3 万人民元とする。法律、行政法規に有限責任会社の登録資本の最低限度額についてより高い規定がある場合は、その規定に従う。
第27条(出資)
株主は、通貨をもって出資することができ、また、現物、知的財産権、土地使用権等の通貨によって評価することができかつ法に従い譲渡することのできる非通貨財産を換価して出資することもできる。但し、法律、行政法規の規定により出資としてはならない財産についてはこの限りでない。
出資とする非通貨財産については評価・換価を行い、財産を事実に基づいて審査しなければならず、高く或いは低く評価・換価してはならない。法律、行政法規が評価・換価について規定している場合は、その規定に従う。
全株主の通貨出資金額は有限責任会社の登録資本の100分の30を下回ってはならない。
第28条(出資払込義務)
株主は、期日どおりに会社定款に定める各自が払込を引き受けた出資額を全額払い込まなければならない。株主は、通貨をもって出資するときは、有限責任会社が銀行に開設する口座に通貨による出資の全額を払い込まなければならない。非通貨財産をもって出資するときは、法によりその財産権の移転手続を行わなければならない。
株主は、出資を前項の定めどおりに出資を払い込まないときは、会社に対して出資の全額を払い込まなければならないほか、さらにすでに期日どおりに出資の全額を払い込んだ株主に対して違約責任を負わなければならない。
第29条(出資検査)
株主は、出資を払い込んだ後、法により設立された出資検査機構による出資検査を受け、かつ出資検査証明書の交付を受けなければならない。
第30条(設立登記等)
株主の初回の出資について法により設立された出資検査機構による出資検査が済んだ後、全株主の指定する代表者又は共同で委託する代理人が、会社登記機関に会社登記申請書、会社定款、出資検査証明書等の書類を提出し、設立登記を申請する。
第31条(現物出資の差額補填)
有限責任会社の成立後、会社設立の出資とする非通貨財産の実際の価額が会社定款に定める価額より著しく低いことが判明した場合、当該出資を行った株主が、その差額を補充するものとし、会社設立時のその他の株主はこれについて連帯責任を負う。
第32条(出資証明書の発行)
有限責任会社は、成立後、株主に出資証明書を発給しなければならない。
出資証明書には次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 会社の名称
(2) 会社の成立日
(3) 会社の登録資本金
(4) 株主の氏名又は名称、払い込んだ出資額と出資日
(5) 出資証明書の番号と発給日
出資証明書には会社が捺印する。
第33条(株主名簿)
有限責任会社は、株主名簿を備え付け、次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 株主の氏名又は名称及び住所
(2) 株主の出資額
(3) 出資証明書の番号
株主名簿に記載された株主は、株主名簿に従い株主の権利の行使を主張することができる。
会社は、株主の氏名又は名称及びその出資額を会社登記機関に登記しなければならない。
登記事項に変更が生じた場合は、変更登記手続を行わなければならない。登記又は変更登記を経ていない場合は、第三者に対抗することはできない。
第34条(定款等の閲覧権)
株主は、会社定款、株主会会議の議事録、董事会会議の決議、監事会会議の決議及び財務会計報告を閲覧及び複製する権利を有する。
株主は、会社の会計帳簿の閲覧を要求することができる。株主が会社の会計帳簿の閲覧を要求する場合は、会社に書面による請求を提出し、その目的を説明しなければならない。
会社は、合理的な根拠に基づき株主による会計帳簿の閲覧が不当な目的によるものであり、これにより会社の適法な利益が損なわれるおそれがあると認める場合には、閲覧を拒否することができ、かつ株主が書面の請求を提出した日から15日以内に書面により株主に回答し、かつその理由を説明しなければならない。会社が閲覧請求を拒否した場合は、株主は会社に閲覧を認めさせるよう人民法院に請求することができる。
第35条(利益配当及び出資引受権)
株主は、出資比率に基づき配当金を受け取る。会社が新たに増資する場合、株主は、実際に払い込んだ出資の比率に従って優先的に出資の払込を引き受ける権利を有する。但し、全株主が出資比率によって配当金を受け取らないこと又は出資比率によって優先的に出資を引き受けないことを約定する場合はこの限りでない。
第36条(出資払戻の禁止)
株主は、会社成立以後、出資の払戻を受けてはならない。
第2節 組織機構
第37条(株主会)
有限責任会社の株主会は全株主によって構成され、株主会は会社の権力機構である。株主会は本法により職権を行使する。
第38条(株主会の権限)
株主会は、次に掲げる職権を行使する。
(1) 会社の経営方針及び投資計画を決定すること
(2) 従業員代表を務めていない董事及び監事を選出及び更迭し、董事及び監事の報酬に関する事項を決定すること
(3) 董事会の報告を審議し承認すること
(4) 監事会又は監事の報告を審議し承認すること
(5) 会社の年度財務予算案及び決算案を審議し承認すること
(6) 会社の利益配当案又は欠損補填案を審議し承認すること
(7) 会社の登録資本金の増加又は減少について決議を行うこと
(8) 社債発行について決議を行うこと
(9) 会社の合併、分割、解散、清算又は会社形態の変更について決議を行うこと
(10) 会社定款を修正すること
(11) 会社定款に定めるその他の職権。
前項の事項について株主が書面により全員一致で同意した場合は、株主会会議を招集せず、直接決定することができ、かつ全株主が決定文書に署名、捺印する。
第39条(第1回株主会の招集)
株主会の第1回会議は、最も多く出資した株主が招集及び主宰し、本法の定めにより職権を行使する。
第40条(株主会会議の招集権者)
株主会の会議は、定時会議と臨時会議とに分ける。
定時会議は、会社定款の定めにより期日どおりに招集しなければならない。10分の1以上の議決権を有する株主、3分の1以上の董事、又は監事会もしくは監事会を設けない会社の監事が臨時会議の開催を提案した場合は、臨時会議を開催しなければならない。
第41条(株主会会議の招集及び主宰)
有限責任会社が董事会を設置している場合、株主会の会議は董事会が招集し、董事長が主宰するものとし、董事長が職務を履行できない、又は職務を履行しないときは、副董事長が主宰する。副董事長が職務を履行できない、又は職務を履行しないときは、半数以上の董事が共同で推薦する 1 名の董事が主宰するものとする。有限責任会社が董事会を設置していない場合、株主会の会議は執行董事が招集及び主宰するものとする。
董事会又は執行董事が株主会会議の職責を履行できない、又は履行しないときは、監事会又は監事会を設けない会社の監事が招集及び主宰する。監事会又は監事が招集及び主宰しないときは、10分の1以上の議決権を有する株主が自ら招集し、主宰することができる。
第42条(株主会会議の通知等)
株主会の会議を招集するときは、会議招集の15日前までに全株主に通知しなければならない。但し、会社定款に別途規定がある場合、又は全株主が別途約定する場合はこの限りでない。
株主会は、議事の決定について議事録を作成しなければならず、会議に出席した株主は議事録に署名しなければならない。
第43条(議決権)
株主会会議においては、株主が出資比率に基づいて議決権を行使する。但し、会社定款に別途規定する場合はこの限りでない。
第44条(議事方式等)
株主会会議の議事方式と議決手続は、本法に定めがある場合を除いては、会社定款の定めによる。
株主会会議が会社定款の修正、会社の登録資本金の増加又は減少、並びに会社の合併、分割、解散又は会社形態の変更について決議する場合は、3 分の 2 以上の議決権を有する株主によって採択されなければならない。
第45条(董事会)
有限責任会社は董事会を設置し、その構成員は3名から13名とする。但し、本法第51条に別途規定する場合を除く。
2つ以上の国有企業又は2つ以上のその他の国有投資主体が投資して設立した有限責任会社は、その董事会の構成員に会社の従業員代表をいれなければならない。その他の有限責任会社は、董事会の構成員に会社の従業員代表をいれることができる。董事会の従業員代表は、会社従業員が従業員代表大会、従業員大会又はその他の形式を通じて民主的選挙によって選出する。
董事会には董事長1名を置くものとし、副董事長を置くことができる。董事長、副董事長の選出方法は会社定款により定める。
第46条(董事の任期)
董事の任期は会社定款の定めによるが、任期は1期3年を超えることはできない。董事の任期が満了し、連続して選出された場合は再任することができる。
董事の任期満了時にすみやかに改選しない場合、又は董事の在任期間中の辞任により董事会構成員が法定人数を下回った場合は、改選により選ばれた董事が就任するまでは、もとの董事はなおも法律、行政法規及び会社定款の規定に従い、董事の職務を履行しなければならない。
第47条(董事会の権限)
董事会は、株主会に対して責任を負い、次に掲げる職権を行使する。
(1) 株主会会議を招集し、かつ株主会で業務報告を行う。
(2) 株主会の決議を実行する。
(3) 会社の経営計画及び投資案を決定する。
(4) 会社の年度財務予算案及び決算案を作成する。
(5) 会社の利益配当案と欠損補填案を作成する。
(6) 会社の登録資本金の増加又は減少案及び社債発行案を作成する。
(7) 会社の合併、分割、解散又は会社形態の変更案を立案する。
(8) 会社の内部管理機構の設置を決定する。
(9) 総経理 ※2 の招聘又は解任及びその報酬事項を決定し、かつ総経理の指名に基づき会社の副総経理、財務責任者の招聘又は解任及びその報酬事項を決定する。
(10) 会社の基本的管理制度を定める。
(11) 会社定款に定めるその他の職権
第48条(董事会の招集)
董事会会議は董事長が招集及び主宰するが、董事長が職務を履行できない、又は職務を履行しない場合は、副董事長が招集及び主宰する。副董事長が職務を履行できない、又は職務を履行しない場合は、半数以上の董事が共同で推薦する1名の董事が招集し、主宰する。
第49条(議事方式等)
董事会の議事方式と議決手続は、本法に定めのある場合を除き、会社定款の定めによる。
董事会は、議事の決定について議事録を作成し、会議に出席した董事は、議事録に署名しなければならない。
董事会決議の議決は、1人1票により行う。
第50条(総経理の権限)
有限責任会社には、総経理を置くことができ、董事会が任命又は解任を決定する。総経理は、董事会に対して責任を負い、次に掲げる職権を行使する。
(1) 会社の生産経営管理を主管し、董事会決議を実施する。
(2) 会社の年度経営計画と投資案を実施する。
(3) 会社の内部管理機構の設置案を立案する。
(4) 会社の基本的管理制度を立案する。
(5) 会社の具体的規則を定める。
(6) 会社の副総経理、財務責任者の任命又は解任を提案する。
(7) 董事会が任命又は解任を決定すべき者以外の管理責任者の任命又は解任を決定する。
(8) 董事会により与えられたその他の職権
会社定款に総経理の職権について別途規定がある場合はその規定に従う。
総経理は、董事会会議に列席する。
第51条(執行董事)
株主の人数が比較的少ない又は規模が比較的小さい有限責任会社は、執行董事を1名置き、董事会を設置しないことができる。執行董事は、会社の総経理を兼任することができる。 執行董事の職権は、会社定款により定める。
第52条(監事会)
有限責任会社は、監事会を設置するものとし、その構成員は3名を下回ってはならない。
株主の人数が比較的少ない又は規模が比較的小さい有限責任会社は、1名乃至2名の監事を置き、監事会を設置しないことができる。
監事会は、株主代表と適当な比率の会社従業員代表を含まなければならず、そのうち、従業員代表の比率は3分の1を下回ってはならないものとし、具体的な比率は会社定款に定める。監事会の従業員代表は、会社従業員が従業員代表大会、従業員大会又はその他の形式を通じて民主的選挙によって選出する。
監事会は主席1名を置き、全監事の過半数の選挙により選出する。監事会主席は監事会会議を招集し、主宰する。監事会主席が職務を履行できない、又は職務を履行しない場合は、半数以上の監事が共同で推薦する1名の監事が監事会会議を招集し、主宰する。
董事及び高級管理職員は、監事を兼任してはならない。
第53条(監事の任期)
監事の任期は1期3年とする。監事は、任期が満了し、連続して選出された場合は再任することができる。
監事の任期満了時にすみやかに改選しない場合、又は監事の在任期間中の辞任により監事会構成員が法定人数を下回った場合は、改選により選ばれた監事が就任するまでは、もとの監事はなおも法律、行政法規及び会社定款の規定に従い、監事の職務を履行しなければならない。
第54条(監事会、監事の権限)
監事会又は監事会を設けない会社の監事は、次に掲げる職権を行使する。
(1) 会社の財務の検査
(2) 董事、高級管理職員の会社職務執行時に対する監督、並びに法律、行政法規、会社定款又は株主会の決議に違反する董事、高級管理職員に関する罷免意見の提出
(3) 董事及び高級管理職員の行為が会社の利益に損害を与える場合における、董事と高級管理職員に対する是正の要求
(4) 臨時株主会会議招集の提案、董事会が本法に定める株主会会議の招集及び主宰の職責を履行しない場合の株主会会議の招集及び主宰
(5) 株主会に対する意見の提出
(6) 本法第152条の規定に基づく、董事、高級管理職に対する訴訟の提起
(7) 会社定款に定めるその他の職権
第55条(監事の董事会列席権等)
監事は、董事会会議に列席し、董事会の決議事項に対し質問又は意見を提出することができる。
監事会、監事会を設けない会社の監事は、会社の経営状況に異常を見つけた場合には、調査を行うことができる。必要な場合は、会計士事務所等を招聘してその作業の協力を仰ぐことができ、費用は会社が負担する。
第56条(監事会の招集等)
監事会会議は毎年少なくとも 1 回は招集するものとし、監事は臨時監事会会議の招集を提案することができる。
監事会の議事方式及び議決手続は、本法に定めがある場合を除き、会社定款の定めによる。
監事会決議は、半数以上の監事により採択されなければならない。
監事会は、議事の決定について議事録を作成しなければならず、会議に出席した監事は、議事録に署名しなければならない。
第 57 条(監事費用)
監事会及び監事会を設けない会社の監事がその職権を行使するために必要とする費用は、会社が負担する。
第3節 一人有限責任会社に関する特別規定
第58条(適用及び定義)
一人有限責任会社の設立及び組織機構については、本節の規定を適用する。本節に規定がない場合は、本章第1節、第2節の規定を適用する。
本法において一人有限責任会社とは、株主が1人の自然人又は1社の法人のみである有限責任会社をいう。
第59条(登録資本最低限度額等)
一人有限責任会社の登録資本最低限度額は 10 万人民元とする。株主は、会社定款に定める出資額を一括で払い込まなければならない。
1人の自然人は、一人有限責任会社を1社のみ投資設立することができる。当該一人有限責任会社は、新たに一人有限責任会社を投資設立することはできない。
第 60 条(一人有限責任会社の明記)
一人有限責任会社は、会社登記において自然人の独資か又は法人の独資かを明記し、かつ会社営業許可証にも明記しなければならない。
第 61 条(定款)
一人有限責任会社の定款は、株主が制定する。
第 62 条(株主会の不設置)
一人有限責任会社は、株主会を設けない。株主が本法第 38 条第 1 項に掲げる決定を行うときは、書面の形式によらなければならず、かつ株主が署名した後、会社に備えなければならない。
第 63 条(財務会計報告)
一人有限責任会社は、各会計年度が終了する時点で財務会計報告書を作成し、かつ会計士事務所の監査を受けなければならない。
第 64 条(株主の連帯責任)
一人有限責任会社の株主は、会社の財産が株主自身の財産から独立していることを証明することができない場合は、会社の債務について連帯して責任を負わなければならない。
第 4 節 国有独資会社に関する特別規定
第 65 条(適用及び定義)
国有独資会社の設立及び組織機構については、本節の規定を適用する。本節に規定がない場合は、本章第 1 節、第 2 節の規定を適用する。
本法において国有独資会社とは、国が単独で出資する、又は国務院もしくは地方人民政府が授権した同級の人民政府の国有資産監督管理機構が出資者としての職責を履行する有限責任会社をいう。
第 66 条(定款)
国有独資会社の定款は、国有資産監督管理機構が定めるか、又は董事会が立案して、国有資産監督管理機構に認可を求める。
第 67 条(株主会の不設置)
国有独資会社は株主会を設けず、国有資産監督管理機構が株主会の職権を行使する。国有資産監督管理機構は会社の董事会に授権して株主会の職権の一部を行使させ、会社の重大事項を決定させるものとするが、会社の合併、分割、解散、登録資本金の増加又は減少及び社債の発行については、国有資産監督管理機構が決定しなければならない。そのうち、重要な国有独資会社の合併、分割、解散、破産申請については、国有資産監督管理機構が審査した後、同級の人民政府に認可を求めなければならない。
前項にいう重要な国有独資会社は、国務院の規定に従い確定するものとする。
第 68 条(董事会)
国有独資会社は董事会を設け、本法第 47 条、第 67 条の定めにより職権を行使する。董事会の各期の任期は 3 年を超えてはならない。董事会の構成員には会社従業員の代表を含めなければならない。
董事会の構成員は国有資産監督管理機構が任命派遣するが、董事会構成員の従業員代表は、会社従業員代表大会の選挙によって選出する。
董事会は董事長 1 名を置くものとし、副董事長を置くことができる。董事長、副董事長は、国有資産監督管理機構が董事会の構成員の中から指名する。
第 69 条(総経理)
国有独資会社は総経理を置き、董事会が任命し、又は解任する。総経理は、本法第 50条の定めにより職権を行使する。
国有資産監督管理機構の同意を経て、董事会構成員は、総経理を兼任することができる。
第 70 条(他組織における兼職の禁止)
国有独資会社の董事長、副董事長、董事、高級管理職は、国有資産監督管理機構の同意を得なければ、その他の有限責任会社、株式会社又はその他の経営組織において兼職してはならない。
第 71 条(監事会)
国有独資会社の監事会の構成員は、5 名を下回ってはならず、そのうち、従業員代表の比率は 3 分の 1 を下回ってはならないものとし、具体的な比率は会社定款により定める。
監事会の構成員は国有資産監督管理機構が任命派遣するが、監事会構成員の従業員代表は会社従業員代表大会の選挙によって選出する。監事会の主席は国有資産監督管理機構が監事会構成員の中から指名する。
監事会は、本法第 54 条第 1 項第(1)号から第(3)号に定める職権及び国務院の定めるその他の職権を行使する。
第 3 章 有限責任会社の持分譲渡
第 72 条(通常の持分譲渡)
有限責任会社の株主間においては、互いにその全部又は一部の持分を譲渡することができる。
株主が株主以外の者に持分を譲渡する場合は、その他の株主の過半数の同意を得なければならない。株主は、その持分譲渡事項を書面によりその他の株主に通知し、その同意を求めなければならず、その他の株主が書面通知の受領日から満 30 日が経過しても回答しない場合は、譲渡に同意したものとみなす。その他の株主の半数以上が譲渡に同意しなかった場合は、同意しなかった株主はかかる譲渡持分を買い取らなければならない。買い取らない場合は、譲渡に同意したものとみなす。
株主の同意を得た譲渡持分については、同等の条件において、その他の株主が優先買取権を有する。2 名以上の株主が優先買取権の行使を主張した場合は、協議によりそれぞれの買取比率を確定する。協議が調わない場合は、譲渡時の各自の出資比率に従い優先買取権を行使する。
会社定款に持分譲渡について別段の規定がある場合は、その規定に従う。
第 73 条(強制執行手続きによる持分譲渡)
人民法院が法律に定める強制執行手続に従い株主の持分を譲渡する場合は、会社及び全株主に通知しなければならず、その他の株主は同等の条件において優先買取権を有する。
その他の株主が人民法院の通知日から満 20 日が経過しても優先買取権を行使しない場合は、優先買取権を放棄したものとみなす。
第 74 条(定款等の修正)
本法第 72 条、73 条に従い持分を譲渡した後、会社はもとの株主の出資証明書を取消し、新しい株主に出資証明書を発行し、かつ会社定款並びに株主名簿の株主及びその出資額に関する記載を修正しなければならない。会社定款のかかる修正は株主会の議決を経る必要はないものとする。
第 75 条(持分買取請求)
次の各号に掲げる状況のいずれかが生じた場合は、株主会の当該決議に反対票を投じた株主は会社に適正な価格でその持分を買い取るよう請求することができる。
(1) 会社が 5 年連続で株主に対し利益分配を行わず、その連続 5 年間において会社に利益があり、かつ本法に定める利益分配条件を満たしている場合
(2) 会社を合併もしくは分割し、又は主要財産を譲渡する場合
(3) 会社定款に定める営業期間が満了し、又は定款に定めるその他の解散事由が発生したにもかかわらず、株主会が定款修正の決議を採択し、会社を存続させた場合
株主会会議の決議が採択された日から 60 日以内に、株主と会社が持分買取協議について合意することができない場合は、株主は株主会会議の決議の採択日から 90 日以内に人民法院に訴訟を提起することができる。
第 76 条(相続)
自然人株主が死亡した場合、その適法な相続人は株主の資格を相続することができる。但し、会社定款に別段の定めがある場合はこの限りでない。
第4章 株式会社の設立及び組織機構
第1節 設立
第77条(設立条件)
株式会社を設立する場合、次に掲げる条件に合致しなければならない。
(1) 発起人が法定の員数に合致すること
(2) 発起人が引受及び募集した資本が法定資本の最低限度額に達していること
(3) 株式の発行、設立準備事項が法律の定めに合致すること
(4) 発起人が会社定款を作成しており、募集により設立する場合においては創立総会の決議を経ていること
(5) 会社の名称があり、株式会社の要求に合致する組織機構が設置されていること
(6) 会社の住所を有すること
第78条(設立形態)
株式会社の設立は、発起設立又は募集設立の方式をとることができる。
発起設立とは、会社が発行すべき株式の全部を発起人が引き受けて会社を設立することをいう。
募集設立とは、会社が発行すべき株式の一部を発起人が引き受け、その他の部分を公開募集して又は特定の対象者に対し募集して会社を設立することをいう。
第79条(発起人の員数)
株式会社を設立するときは、2名以上200名以下の発起人がいなければならず、そのうち半数以上の発起人が中国国内に住所を有していなければならない。
第80条(発起人の責務)
株式会社の発起人は、会社の設立準備事務を引き受ける。
発起人は、発起人協議書を締結し、会社の設立過程における各自の権利及び義務を明確にしなければならない。
第81条(登録資本金)
発起設立方式により株式会社を設立する場合、その登録資本金は会社登記機関に登記する全発起人が引き受けた資本総額とする。会社の全発起人の初回出資額は登録資本の 20パーセントを下回ってはならず、その残りの部分は発起人が会社成立日より 2 年以内に全額払い込む。このうち、投資会社は 5 年以内に全額を払い込めばよい。全額を払い込むまで、第三者に対して株式を募集してはならない。
募集設立方式により株式会社を設立する場合、その登録資本金は会社登記機関に登記する実際に払い込まれた資本総額とする。
株式会社の登録資本の最低限度額は500万人民元とする。法律、行政法規に株式会社の登録資本の最低限度額についてより高い規定がある場合は、その規定に従う。
第82条(定款の必須記載事項)
株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 会社の名称及び住所
(2) 会社の経営範囲
(3) 会社の設立方式
(4) 会社の株式総数、1株の金額及び登録資本金
(5) 発起人の氏名又は名称、引き受ける株式数、出資方式及び出資日
(6) 董事会の構成、職権及び議事規則
(7) 会社の法定代表者
(8) 監事会の構成、職権及び議事規則
(9) 会社の利益配当方法 (森・濱田松本法律事務所翻訳 2005 年 11 月 14 日版)
(10) 会社の解散事由及び清算方法
(11) 会社の通知及び公告方法
(12) 株主総会が記載する必要があると認めるその他の事項
第83条(出資方法)
発起人の出資方式については、本法第27条の規定を適用する。
第84条(発起設立)
発起設立の方式により株式会社を設立する場合、発起人は会社定款に定められている自己の引受株式を書面により全額引き受けなければならない。一括納付する場合は、速やかに出資額を全額払い込まなければならない。分割納付する場合は、速やかに初回出資額を払い込まなければならない。非通貨財産をもって出資するときは、法によりその財産権の移転手続を行わなければならない。
発起人が前項の規定に従い出資を払い込まない場合は、発起人協議に従い違約責任を負わなければならない。
発起人が初回出資を払い込んだ後、董事会及び監事会を選出しなければならず、董事会が会社登記機関に会社定款、法により設立された出資検査機構の発行した出資検査証明書及び法律、行政法規に定めるその他の文書を提出し、設立登記を申請するものとする。
第85条(募集設立)
募集設立の方式により株式会社を設立する場合、発起人の引き受ける株式は会社の株式総数の35パーセントを下回ってはならない。但し、法律、行政法規に別段の規定がある場合は、その規定に従う。
第86条(株式引受書)
発起人は、株式の公開募集をするに当たって、目論見書を公告し、かつ株式引受書を作成しなければならない。株式引受書には第87条に掲げる事項を記載しなければならず、株式引受人がその引き受ける株式数、金額、住所を記入し、かつ署名捺印する。株式引受人は、引き受けた株式数により株式払込金を払い込む。
第87条(目論見書の記載事項)
目論見書は、発起人が作成した会社定款を添付し、かつ次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 発起人が引き受ける株式数
(2) 各株式の券面額と発行価額
(3) 無記名株券の発行総数
(4) 募集資金の用途
(5) 株式引受人の権利及び義務
(6) 当該株式募集の開始及び終了の時期、並びに期間内に全部の引受が完了しない場合には株式引受人はすでに引き受けた株式の取消ができることの説明
第88条(株式公募の委託)
発起人が株式を公開募集するときは、法により設立された証券会社による元引受としなければならず、元引受契約を締結する。
第89条(払込取扱銀行)
発起人が株式を公開募集するときは、銀行と株式払込金取扱契約を締結しなければならない。
株式払込金を取り扱う銀行は、契約に従って株式払込金を代理受領及び保管し、株式払込金を払い込んだ株式引受人に払込証明書を交付しなければならず、かつ関連部門に払込証明を提出する義務を負う。
第90条(創立総会)
発行株式の払込金が全額払い込まれた後、法により設立された出資検査機構による出資検査を受け、かつ出資検査証明書の交付を受けなければならない。発起人は、株式払込金が全額払い込まれた日から30日以内に会社の創立総会を招集及び主宰しなければならない。
創立総会は発起人、株式引受人によって構成される。
発行株式が目論見書に定める締切期限を超えても全部が引き受けられない場合、又は発行株式の株式払込金が全額払い込まれた後、発起人が30日以内に創立総会を招集しない場合、株式引受人は、払い込んだ株式払込金に同一期間の銀行預金利息を加えて、発起人に返還を要求することができる。
第91条(創立総会の通知、権限等)
発起人は、創立総会を招集する15日前までに会議日程を各株式引受人に通知し、又は公告しなければならない。創立総会は、株式総数の過半数を代表する発起人、株式引受人の出席により開催することができる。
創立総会は、次に掲げる職権を行使する。
(1) 発起人の会社設立準備状況に関する報告を審議する。
(2) 会社定款を採択する。
(3) 董事会構成員を選出する。
(4 )監事会構成員を選出する。
(5) 会社設立経費を審査する。
(6) 発起人が株式払込金に充当した財産の評価額を審査する。
(7) 不可抗力又は経営条件に重大な変化が発生して会社の設立に直接影響が生じる場合、会社を設立しない旨の決議をすることができる。
創立総会が前項に掲げる決議をするときは、会議に出席した株式引受人の保有する議決権の過半数によって採択しなければならない。
第92条(払戻の禁止)
発起人、株式引受人が株式払込金を払い込み、又は株式払込金に充当する出資を行った後は、期間内に全部の株式の引受が完了しなかった場合、発起人が期限どおりに創立総会を招集しない場合又は創立総会が会社を設立しない旨の決議を採択した場合を除き、その資本を払い戻してはならない。
第93条(設立登記における提出文書)
董事会は、創立総会終了後30日以内に、会社登記機関に次に掲げる文書を提出し、設立登記を申請しなければならない。
(1) 会社登記申請書
(2) 創立総会の議事録
(3) 会社定款
(4) 出資検査証明書
(5) 法定代表者、董事、監事の就任文書及びその身分証明
(6) 発起人の法人資格証明又は自然人の身分証明
(7) 会社の住所証明
募集方式により設立する株式会社が株式を公開発行する場合は、さらに会社登記機関に対し国務院証券監督管理機構の審査確認(原文は「核準」)文書を提出しなければならない。
第94条(出資における発起人の連帯責任)
株式会社の成立後、発起人が会社定款の規定どおりにすべての出資を払い込まない場合は、これを補充納付しなければならず、その他の発起人は連帯責任を負わなければならない。
株式会社の成立後、会社設立の出資とする非通貨財産の実際の価額が定款に定める価額を著しく下回ることが判明した場合、当該出資を払い込む発起人がその差額を補充しなければならず、その他の発起人は連帯責任を負う。
第95条(発起人の責任)
株式会社の発起人は、次に掲げる責任を負わなければならない。
(1) 会社が成立しなかった場合、設立行為により発生した債務及び費用について、連帯責任を負う。
(2) 会社が成立しなかった場合、株式引受人がすでに払い込んだ株式払込金について、株式払込金に同一期間の銀行預金利息を加えて返還する連帯責任を負う。
(3) 会社設立過程において発起人の過失により会社の利益に損害を与えた場合、会社に対して賠償責任を負わなければならない。
第96条(組織変更した会社の株式総額)
有限責任会社を株式会社に組織変更する場合、換算した実際に払い込まれた資本総額は会社の純資産額を上回ってはならない。有限責任会社を株式会社に組織変更し、資本を増加するために株式を公開発行するときは、法に従い手続きを行わなければならない。
第97条(定款等の備え付け)
株式会社は、会社定款、株主名簿、社債の控え、株主総会議事録、董事会議事録、監事会議事録及び財務会計報告書を本社に備え付けなければならない。
第98条(閲覧権)
株主は、会社定款、株主名簿、社債の控え、株主総会議事録、董事会決議、監事会決議及び財務会計報告書を閲覧し、会社の経営について提案又は質問を提出する権利を有する。
第2節 株主総会
第99条(株主総会)
株式会社の株主総会は全株主によって構成され、株主総会は会社の権力機関であり、本法により職権を行使する。
第100条(株主総会の権限)
本法第38条第1項の有限責任会社の株主会の職権に関する規定は、株式会社の株主総会に適用する。
第101条(定時総会、臨時総会)
株主総会は、毎年1回定時総会を招集しなければならない。次に掲げる状況のいずれかに該当する場合、2か月以内に臨時株主総会を招集しなければならない。
(1) 董事の員数が本法に定める員数又は会社定款に定める員数の3分の2に満たなくなったとき
(2) 会社の補填していない欠損金額が実際に払い込まれた資本総額の3分の1に達したとき
(3) 単独又は合計で会社の株式の10パーセント以上を保有する株主が請求したとき
(4) 董事会が必要であると認めるとき
(5) 監事会が招集を提案するとき
(6) 会社定款に定めるその他の状況
第102条(株主総会の招集)
株主総会会議は、董事会が招集し、董事長が主宰する。董事長が職務を履行できない場合、又は職務を履行しない場合、副董事長が主宰する。副董事長が職務を履行できない場合、又は職務を履行しない場合、半数以上の董事が共同で推薦する1名の董事が主宰する。
董事会が株主総会会議の招集の職責を履行しない場合、監事会はすみやかにこれを招集し、主宰しなければならない。監事会が招集、主宰しない場合、連続90日以上にわたり単独で、又は合計で会社の株式の10パーセント以上を保有する株主は自ら招集し、主宰することができる。
第103条(株主総会の招集通知等)
株主総会会議を開催するときは、会議の開催の時期、場所、審議事項を総会開催の20日前までに各株主に通知しなければならない。臨時株主総会の場合は、会議開催の15日前までに各株主に通知しなければならない。無記名株券を発行している場合、総会開催の30日前までに会議開催の時期、場所及び審議事項を公告しなければならない。
単独で、又は合計で会社の3パーセント以上の株式を保有する株主は、株主総会開催の10日前までに臨時の提案を提出し、かつ書面により董事会に提出することができる。董事会は、提案を受領してから2日以内にその他の株主に通知し、かつ当該臨時提案を株主総会の審議に回さなければならない。臨時提案の内容は、株主総会の職権範囲に該当し、かつ明確な議題及び具体的な決議事項がなければならない。
株主総会は、前2項の通知に明記していない事項について決議を行ってはならない。
無記名株券の保有者が株主総会会議に出席する場合、会議開催の5日前から株主総会閉会時まで株券を会社に預けなければならない。
第104条(議決権等)
株主は、株主総会に出席するとき、保有する1株につき1個の議決権を持つ。但し、会社が保有する自己株式には議決権はないものとする。
株主総会が決議を行うときは、総会に出席した株主が保有する議決権の半数以上によって採択しなければならない。但し、株主総会が会社定款の修正、登録資本金の増加もしくは減少について決議を行うとき、並びに会社の合併、分割、解散又は会社形態の変更について決議を行うときは、総会に出席した株主が保有する議決権の3分の2以上で採択しなければならない。
第105条(重要事項の議決)
本法及び会社定款において、会社の重大な資産の譲渡もしくは譲受又は対外的な担保提供等の事項について株主総会の決議を経なければならないと定めている場合、董事会はすみやかに株主総会会議を招集し、株主総会に上記事項について議決させなければならない。
第106条(累積投票制)
株主総会が董事及び監事を選挙する場合、会社定款の規定又は株主総会の決議に基づき、累積投票制を実施することができる。
本法において累積投票制とは、会社の株主総会で董事又は監事を選挙する場合に、議決権のある株式1株につき、選出される董事又は監事の人数と同数の議決権があり、株主が保有する議決権を集中的に使用することができることを指す。
第107条(会議への出席及び議決権行使の委任)
株主は、代理人に委任して株主総会会議に出席させることができ、代理人は、会社に株主の委任状を提出し、かつ授権範囲内で議決権を行使しなければならない。
第108条(議事録)
株主総会は、議事の決定について議事録を作成し、主催者及び総会に出席した董事は、議事録に署名しなければならない。議事録は、出席株主の署名簿及び代理出席の委任状とともに保存しなければならない。
第3節 董事会、総経理
第109条(董事会の権限)
株式会社は董事会を設け、その構成員は5名ないし19名とする。
董事会の構成員には、会社の従業員代表を入れることができる。董事会のうちの従業員代表は、会社従業員が従業員代表大会、従業員大会又はその他の形式を通じて民主的選挙により選出する。
本法第46条の有限責任会社の董事の任期に関する規定は、株式会社の董事に適用する。
本法第47条の有限責任会社の董事会の職権に関する規定は、株式会社の董事会に適用する。
第110条(董事長及び副董事長)
董事会は董事長1名を置くものとし、副董事長を置くことができる。董事長及び副董事長は、董事会で全董事の過半数によって選出される。
董事長は董事会会議を招集及び主宰し、董事会決議の実施状況を検査する。副董事長は董事長の職務を補佐し、董事長が職務を履行できない場合、又は職務を履行しない場合は、副董事長がその職務を代行する。副董事長が職務を履行できない場合、又は職務を履行しない場合は、半数以上の董事が共同で推薦する1名の董事が職務を履行する。
第111条(董事会の招集)
董事会は、毎年度少なくとも2回は会議を招集し、毎回の会議は会議開催の10日前までに全董事及び監事に通知されなければならない。
10分の1以上の議決権を有する株主、3分の1以上の董事又は監事会は、董事会臨時会議の開催を提案することができる。董事長は、提案を受けてから10日以内に董事会会議を招集し、主宰しなければならない。董事会の臨時会議招集については、董事会招集の通知方法及び通知期限を別途定めることができる。
第112条(定足数等)
董事会会議は過半数の董事の出席を得て開催しなければならない。董事会決議は、全董事の過半数により採択しなければならない。
董事会決議の議決は、1人1票により行う。
第113条(董事会への出席等)
董事会会議は、董事本人が出席しなければならない。董事は、事情により出席できない場合、書面によりその他の董事に委任して代理出席させることができるものとし、委任状に授権範囲を明記しなければならない。
董事会は、会議の議事の決定について議事録を作成しなければならず、会議に出席した董事は、議事録に署名しなければならない。
董事は、董事会の決議について責任を負わなければならない。董事会の決議が法律、行政法規又は会社定款、株主総会決議に違反し、会社に重大な損失を与えた場合、決議に賛成した董事は、会社に対して賠償責任を負う。但し、議決に際して異議を表明し、かつ議事録に記載されていることが証明されたときは、当該董事の責任は免除することができる。
第114条(総経理の権限)
株式会社は総経理を置き、董事会が任命又は解任する。
本法第 50 条の有限責任会社の総経理の職権に関する規定は、株式会社の総経理に適用する。
第 115 条(董事会構成員による総経理の兼任)
会社の董事会は、董事会の構成員による総経理の兼任を決定することができる。
第 116 条(董事等への貸付提供の禁止)
会社は、直接、又は子会社を通じて、董事、監事、高級管理職に貸付を提供してはならない。
第 117 条(報酬等の開示義務)
会社は、定期的に株主に対して董事、監事、高級管理職が会社から取得する報酬の状況を開示しなければならない。
第4節 監事会
第118条(監事会の構成)
株式会社は監事会を設け、その構成員は3名を下回ってはならない。
監事会は、株主代表及び適当な比率の会社の従業員代表を含まなければならず、そのうち、従業員代表の比率は 3 分の 1 を下回ってはならない。具体的な比率は会社定款に定める。監事会の従業員代表は、会社従業員が従業員代表大会、従業員大会又はその他の形式を通じて民主的選挙によって選出する。
監事会は主席 1 名を置き、副主席を置くことができる。監事会の主席及び副主席は、全監事の過半数の選挙により選出する。監事会主席は監事会会議を招集し、主宰する。監事会主席が職務を履行できない場合、又は職務を履行しない場合、監事会副主席が監事会会議を招集し、主宰し、監事会副主席が職務を履行できない場合、又は職務を履行しない場合は、半数以上の監事が共同で推薦する 1 名の監事が監事会会議を招集し、主宰する。
董事、高級管理職は、監事を兼任してはならない。
本法第53条の有限責任会社の監事の任期に関する規定は、株式会社の監事に適用する。
第119条(監事会の職権)
本法第54条、第55条の有限責任会社の監事会の職権に関する規定は、株式会社の監事会に適用する。
監事会の職権の行使に必要な費用は、会社が負担する。
第120条(監事会会議)
監事会は6ヶ月ごとに少なくとも1回会議を開催する。監事は、臨時監事会会議の開催を提案することができる。
監事会の議事方式及び議決手続は、本法に定めがある場合を除き、会社定款に定める。
監事会決議は、半数以上の監事が採択しなければならない。
監事会は、議事の決定について議事録を作成しなければならず、会議に出席した監事は議事録に署名しなければならない。
第 5 節 上場会社組織機構の特別規定
第 121 条(上場会社の定義)
本法において上場会社とは、その株券を証券取引所において上場取引する株式会社を指す。
第 122 条(重大な資産の購入、売却)
上場会社が 1 年以内に重大な資産を購入もしくは売却する場合、又は担保金額が会社の資産総額の 30 パーセントを超える場合は、株主総会で決議しなければならず、かつ会議に出席した株主の保有する議決権の 3 分の 2 以上により採択しなければならない。
第 123 条(独立董事)
上場会社は独立董事を置き、具体的規則は国務院が定める。
第 124 条(董事会秘書)
上場会社は董事会秘書を置き、会社の株主総会及び董事会会議の準備、文書保管及び会社株主資料の管理、並びに情報開示事務等を行わせる。
第 125 条(議決権行使の制限等)
上場会社の董事は、董事会会議の決議事項に関わる企業と関連関係を有する場合、当該決議事項について議決権を行使してはならず、またその他の董事の議決権の行使を代理することもできない。当該董事会会議は、過半数の関連関係のない董事が出席すれば開催することができ、董事会会議で行う決議は、関連関係のない董事の過半数により採択することを要する。董事会に出席した関連関係のない董事の人数が 3 人に満たない場合は、当該事項について上場会社の株主総会での審議を求めなければならない。
第5章 株式会社の株式発行及び譲渡
第1節 株式の発行
第126条(株式及び株券)
株式会社の資本は株式に分け、1株当りの金額は均一とする。
会社の株式は株券の形式をとる。株券は、株主の保有株式を証明する会社の発行する証憑である。
第127条(株式発行の原則)
株式の発行は、公平、公正の原則を実行し、同一種類の株式はいずれも同等の権利を有する。同時に発行する同一種類の株券は、1株当りの発行条件及び価額が均一でなければならない。いかなる単位又は個人が引き受けた株式も、1株につき払い込む価額が均一でなければならない。
第128条(株式の発行価格)
株券の発行価額は、券面額によることも、券面額を超過することもできるが、券面額を下回ってはならない。
第129条(株券の形式、記載事項)
株券は、紙面の形式又は国務院証券監督管理機構の定めるその他の形式を採用する。
株券には次に掲げる主な事項を記載しなければならない。
(1) 会社名称
(2) 会社の成立日
(3) 株券の種類、券面額及びその表章する株式数
(4) 株券の番号
株券は法定代表者が署名し、会社の印章を押す。
発起人の株券は、発起人株券である旨の文字を明記しなければならない。
第130条(記名株券、無記名株券)
会社が発行する株券は、記名株券とすることも、無記名株券とすることもできる。
会社が発起人、法人に対して発行する株券は、記名株券でなければならず、かつ当該発起人、法人の名称又は氏名を記載しなければならず、他人の名義とし、又は代表者の氏名で記載してはならない。
第131条(株主名簿の記載事項)
会社が記名株券を発行するときは、株主名簿を備え付け、次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 株主の氏名又は名称及び住所
(2) 各株主が保有する株式数
(3) 各株主が保有する株券の番号
(4) 各株主が株式を取得した日付
無記名株券を発行するとき、会社はその株券の数量、番号及び発行日を記載しなければならない。
第132条(その他の株券)
国務院は、本法に定める以外の他の種類の株式を会社が発行することについて、別途定めることができる。
第133条(株券の交付時期)
株式会社は、成立後、直ちに株主に株券を正式に交付する。会社は、成立前に株主に株券を交付してはならない。
第134条(新株発行についての決議事項)
会社が新株を発行する場合、株主総会は次に掲げる事項について決議を行わなければならない。
(1) 新株の種類及び額
(2) 新株の発行価額
(3) 新株発行の開始日及び終了日
(4) 既存株主に割り当てる新株の種類及び額
第135条(新株発行の公告)
会社が国務院証券監督管理機構の審査確認を得て新株を公開発行するときは、新株の目論見書及び財務諸表を公告し、かつ株式引受書を作成しなければならない。
本法第88条及び第89条の規定は、会社の新株の公開発行に適用する。
第136条(新株発行価額)
会社が新株を発行するときは、会社の経営状況及び財務状況に基づき、その価額案を確定することができる。
第137条(新株の登記、公告)
会社は、新株を発行して株式払込金が全額払い込まれた後、会社登記機関で変更登記を行い、かつ公告しなければならない。
第2節 株式の譲渡
第138条(株式の譲渡)
株主が保有する株式は法により譲渡することができる。
第139条(株式の譲渡方法) 株主がその株式を譲渡するときは、法によって設立された証券取引所で行うか、又は国務院の定めるその他の方式により行わなければならない。
第140条(記名株券の譲渡)
記名株券は、株主が裏書方式又は法律、行政法規に定めるその他の方式により譲渡する。
譲渡後、会社が譲受人の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載する。
株主総会が開催される前の20日間又は会社が配当を決定する基準日の前の5日間は、前項に定める株主名簿の変更登録を行ってはならない。但し、法律において上場会社の株主名簿の変更登記について別途定められている場合は、その規定に従う。
第141条(無記名株券の譲渡)
無記名株券の譲渡は、株主が当該株券を譲受人に交付した後、直ちに譲渡の効力が発生する。
第142条(譲渡制限)
発起人の保有する自己株式は、会社成立の日より1年間は譲渡してはならない。会社が株式を公開発行する前にすでに発行していた株式は、会社の株券の証券取引所における上場取引日から1年以内は譲渡してはならない。
会社の董事、監事、高級管理職は、その保有する自社の株式及びその変動状況を会社に申告しなければならず、在任期間中に毎年譲渡する株式は、その保有する自社株式総数の25パーセントを超えてはならない。保有する自社株式は、会社の株式上場取引日から1年以内は譲渡してはならない。上記の者が離職してから半年以内は、その保有していた自社株式を譲渡してはならない。会社定款において、会社の董事、監事及び高級管理職がその保有する自社株式を譲渡することに対してその他の制限的規定をおくことができる。
第143条(自己株式取得の禁止)
会社は自己株式を購入してはならない。但し、次の各号のいずれかに該当する場合はこの限りではない。
(1) 会社の登録資本を減少する場合
(2) 自社株式を保有するその他の会社と合併する場合
(3) 株式を褒賞として自社の従業員に給付するとき。
(4) 株主が株主会又は株主総会で行った会社合併又は分割の決議に異議を有し、会社のその株式の買取を求めるとき。
会社は、前項第(1)号から第(3)号までの原因により自己株式を購入する場合、株主総会の決議を経なければならない。会社が前項の規定に従い自己株式を購入した場合で、第(1)号に該当するときは、購入から10日以内に消却しなければならない。第(2)号、第(4)号に該当するときは、6か月以内に譲渡又は消却しなければならない。
会社が第1項第(3)号の規定により購入する自己株式は、当該会社の発行済株式総額の5パーセントを超えてはならない。購入に用いる資金は、会社の税引き後利益から支出しなければならず、購入した株式は1年以内に従業員に譲渡しなければならない。
会社は、自己株式を質権の目的物として受け入れてはならない。
第144条(記名株券の盗難、紛失)
記名株券が盗難にあい、紛失し、又は滅失した場合、株主は、法」に規定する公示催告手続により、人民法院に当該株券の失効宣告を請求することができる。
人民法院が当該株券の失効を宣告した後、株主は、会社に株券の再発行を申請することができる。
第145条(上場株式の取引)
上場会社の株式は、関連法律、行政法規及び証券取引所取引規則により上場取引する。
第146条(財務報告の公開)
上場会社は、法律、行政法規の規定により、その財務状況、経営状況及び重大な訴訟について公開し、各会計年度内において半期毎に1回財務会計報告書を公表しなければならない。
第6章 会社の董事、監事、高級管理職の資格及び義務
第147条(欠格事由)
次に掲げる状況のいずれかに該当する者は、会社の董事、監事、高級管理職に就任することはできない。
(1) 民事行為能力の無い者又は民事行為能力を制限されている者
(2) 汚職、収賄、財産横領、財産流用又は社会主義市場経済秩序の破壊により刑罰の判決を受け、執行期間満了後5年に満たない者、又は犯罪により政治的権利を剥奪され、執行期間満了後5年に満たない者
(3) 破産し清算を行った会社又は企業の董事又は工場長、総経理を務め、当該会社又は企業の破産に個人として責任のある者で、その会社又は企業が破産し清算が完了した日より3年に満たない者
(4) 法律違反により営業許可証の取消、閉鎖命令を受けた会社又は企業の法定代表者を務め、かつ個人として責任のある者で、その会社又は企業が営業許可証を取り消された日から3年に満たない者
(5) 個人として負っている比較的大きな債務の期限が到来したにもかかわらず弁済が完了していない者 会社が前項の定めに違反して、董事もしくは監事を選出もしくは任命派遣し、又は高級管理職を招聘した場合、かかる選出、任命派遣又は招聘は無効とする。
董事、監事、高級管理職の在任期間中に本条第1項に掲げる事由が生じた場合、会社はその職務を解除しなければならない。
第148条(忠実義務等)
董事、監事、高級管理職は、法律、行政法規及び会社定款を遵守し、会社に対して忠実義務及び勤勉義務を負う。
董事、監事、高級管理職は、職権を利用して賄賂又はその他の不法な収入を得てはならず、会社の財産を横領してはならない。
第149条(禁止事項)
董事、高級管理職には、次の各号に掲げる行為があってはならない。
(1) 会社の資金を流用すること
(2) 会社の資金を自分の個人名義又はその他の個人名義で口座を開設し預金すること
(3) 会社定款の規定に反し、株主会、株主総会又は董事会の同意を得ずに、会社の資産を他人に貸し付け、又は会社の財産を他人のために担保として提供すること
(4) 会社定款の規定に反し、又は株主会、株主総会又は董事会の同意を得ずに、自社と契約を締結し、又は取引を行うこと
(5) 株主会又は株主総会の同意を得ずに、職務上の便宜を利用して自己のため、又は他人のために会社の商機を奪い、在任する会社と同種の業務を自営し、又は他人のために経営すること
(6) 他人と会社との取引のコミッションを受け取り自己のものとすること
(7) 会社の機密を無断で開示すること
(8) 会社に対する忠実義務に反するその他の行為
董事、高級管理職が前項の規定に違反して取得した収入は会社の所有に帰属させなければならない。
第150条(賠償責任)
董事、監事、高級管理職は、会社の職務を執行する時に法律、行政法規又は会社定款の定めに違反し、会社に損害を与えた場合、賠償責任を負わなければならない。
第151条(会議への列席義務等)
株主会又は株主総会が董事、監事、高級管理職に会議への列席を求めた場合、董事、監事、高級管理職は列席し、かつ株主の質問を受けなければならない。
董事、高級管理職は、事実に即して監事会又は監事会を設けない有限責任会社の監事に関連状況及び資料を提供しなければならず、監事会又は監事の職権行使を妨害してはならない。
第152条(株主代表訴訟)
董事、高級管理職に本法第150条に定める事由がある場合、有限責任会社の株主、連続180日以上単独で又は合計で会社の1パーセント以上の株式を保有する株式会社の株主は、書面により監事会又は監事会を設けない有限責任会社の監事に人民法院への訴訟の提起を請求することができる。監事に本法第151条に定める事由がある場合、上記株主は、書面により董事会又は董事会を設けない有限責任会社の執行董事に人民法院への訴訟の提起を請求することができる。
監事会、監事会を設けない有限責任会社の監事、もしくは董事会、執行董事が前項に定める株主の書面による請求を受領した後、訴訟の提起を拒否する場合、又は請求を受領した日から30日以内に訴訟を提起しない場合、又は情況が緊急であり、直ちに訴訟を提起しなければ会社の利益に補填しがたい損害をもたらしうる場合、前項に定める株主は会社の利益のため、自己の名義により人民法院に直接訴訟を提起する権利を有する。
他人が会社の適法な権益を侵害し、会社に損失をもたらした場合、本条第1項に定める株主は、前2項の規定に基づき、人民法院に訴訟を提起することができる。
第 153 条(株主に損害を与えた場合の訴訟)
董事、高級管理職が法律、行政法規又は会社定款の規定に違反し、株主の利益を損なった場合、株主は人民法院に対して訴訟を提起することができる。
第7章 社債
第154条(社債の定義)
本法において社債とは、会社が法定の手続に従って発行するもので、一定の期限に元利を償還することを約定する有価証券を指す。
会社の社債発行は、「中華人民共和国証券法」に定める発行条件に合致しなければならない。
第155条(社債募集方法の公告の記載事項)
社債発行の申請が国務院の授権した部門の審査確認を受けた後、社債募集方法を公告しなければならない。
社債募集方法には、次に掲げる主要な事項を明記しなければならない。
(1) 会社の名称
(2) 社債により募集する資金の用途
(3) 社債総額及び社債の券面額
(4) 社債の利率の確定方法
(5) 元利償還期限及び方法
(6) 社債の担保状況
(7) 社債の発行価額並びに発行の開始期日及び終了期日
(8) 会社の純資産額。
(9) 発行済みで償還期限が到来していない社債の総額。
(10) 社債の元引受機構。
第156条(社債の記載事項)
会社は、券面方式により社債を発行する場合、社債に会社の名称、社債の券面額、利率、元利償還期限等の事項を明記しなければならず、かつ法定代表者が署名し、会社の印章を押印しなければならない。
第157条(社債の種類)
社債は記名債券とすることができ、無記名債券とすることもできる。
第158条(社債原簿)
会社は、社債を発行する場合、社債原簿を備え付けなければならない。
記名社債を発行するときは、社債原簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。
(1) 社債保有者の氏名又は名称及び住所
(2) 社債保有者が社債を取得した期日及び社債の番号
(3) 社債総額、社債の券面額、利率、元利償還期限及び方式
(4) 社債の発行日
無記名社債を発行するときは、社債原簿に社債総額、利率、元利償還期限及び方式、発行日及び社債の番号を明記しなければならない。
第159条(関連制度の制定)
記名社債の登記結算機構は、社債登記、保管管理、利息支払、現金化等の関連制度を確立しなければならない。
第160条(社債の譲渡)
社債は譲渡することができ、譲渡価額は、譲渡人と譲受人とが約定する。
社債を証券取引所において上場取引する場合は、証券取引所の取引規則に従って譲渡する。
第161条(記名社債、無記名社債の譲渡)
記名債券は、社債保有者が裏書方式又は法律、行政法規に定めるその他の方式で譲渡する。
譲渡後、会社が譲受人の氏名又は名称及び住所を社債原簿に記載する。
無記名債券の譲渡は、社債保有者が当該社債を譲受人に交付した時より譲渡の効力が生じる。
第162条(転換社債)
上場会社は、株主総会の決議を経て転換社債を発行することができ、かつ社債募集方法に具体的な転換方法を定める。上場会社は、転換社債を発行する場合、国務院証券監督管理機構の審査確認を求めなければならない。
転換社債を発行する場合、社債に転換社債である旨の文字を表記しなければならず、かつ社債原簿に転換社債の総額を明記しなければならない。
第163条(転換社債の発行)
転換社債を発行する場合、会社は、その転換方法により社債保有者に株式を転換発行しなければならないが、社債保有者は、株式に転換すること又は転換しないことを選択する権利を有する。
第8章 会社の財務、会計
第164条(財務、会計制度の確立)
会社は、法律、行政法規及び国務院財政部門の規定により、自社の財務、会計制度を確立しなければならない。
第165条(財務会計報告書の作成)
会社は、毎会計年度終了時に、財務会計報告書を作成し、法により会計士事務所の監査を受けなければならない。
財務会計報告書は、法律、行政法規及び国務院財政部門の規定に従って作成しなければならない。
第166条(財務会計報告書の送付等)
有限責任会社は、会社定款に定める期限までに財務会計報告書を各株主に送付しなければならない。
株式会社の財務会計報告書は、株主総会の定時総会開催の20日前までに、自社に備え付け、株主の閲覧に供しなければならない。株券を公開発行した株式会社は、財務会計報告書を公告しなければならない。
第167条(法定準備金、法定公益金)
会社は、当年の税引き後利益を分配する時、利益の10パーセントを会社の法定準備金として積立てなければならない。会社の法定準備金の累計額が会社の登録資本金の50パーセント以上である場合、新たな積立を必要としない。
会社の法定準備金が過去の年度の会社の欠損を補填するのに不足する場合、前項の規定により法定準備金を積み立てる前に、当年の利益をもって欠損を補填しなければならない。
会社は、税引き後利益から法定準備金を積み立てた後、株主会又は株主総会の決議を経て、任意準備金を積み立てることができる。
会社が欠損を補填し、準備金を積み立てた後の余剰利益は、有限責任会社の場合は本法第35条の規定に従って分配し、株式会社の場合は株主の保有する株式の比率により分配する。
但し、株式会社定款が株式保有の比率によらずに分配することを定めている場合はこの限りではない。
株主会、株主総会又は董事会が前項の規定に違反して、会社が欠損を補填し、法定準備金及び法定公益金を積み立てる前に株主に利益を分配した場合、株主は、規定に違反して分配された利益を、会社に返還しなければならない。
会社が保有する自己株式は利益を分配してはならない。
第168条(資本準備金)
株式会社が、株券の券面額を超える発行価額で株式を発行することにより得た額面超過額及び国務院財政部門が資本準備金に組み入れることを定めるその他の収入は、会社の資本準備金に計上しなければならない。
第169条(準備金の用途)
会社の準備金は、会社の欠損の補填、会社の生産経営の拡大、又は会社の資本への組み入れに用いるものとする。但し、資本準備金は会社の欠損の補填に用いてはならない。
法定準備金を資本に組み入れる場合、当該準備金の残高は法定準備金組入れ前の会社の登録資本金の25パーセントを下回ってはならない。
第 170 条(会計士事務所の招聘及び解任)
会社が会社の会計監査業務を引き受ける会計士事務所を招聘、解任する場合、会社定款の規定に従い、株主会、株主総会又は董事会により決定する。
会社の株主会又は株主総会は、会計士事務所の解任について議決を行う場合、会計士事務所に意見を述べることを認めなければならない。
第 171 条(資料提供義務)
会社は、招聘した会計士事務所に対して、真実かつ完全な会計証憑、会計帳簿、財務会計報告書及びその他の会計資料を提供しなければならず、拒否、隠匿、虚偽報告をしてはならない。
第172条(法定外の会計帳簿作成の禁止等)
会社は、法定の会計帳簿以外に、別に会計帳簿を設けてはならない。
会社の資産について、いかなる個人名義によっても口座を開設して預金してはならない。
第9章 会社の合併、分割、増資、減資
第173条(合併の形式)
会社の合併は、吸収合併と新設合併の2つの形式をとることができる。
1つの会社がその他の会社を吸収するものを吸収合併といい、吸収される会社は解散する。
2つ以上の会社が合併して1つの新会社を設立するものを新設合併といい、合併の各当事会社は解散する。
第174条(会社の合併)
会社を合併する場合、合併の各当事会社は、合併協議書を締結し、かつ貸借対照表及び財産明細書を作成しなければならない。会社は、合併の決議を行った日から10日以内に債権者に通知し、かつ30日以内に新聞上で公告を行わなければならない。債権者は、通知書を受領した日から30日以内、通知書を受領していない場合は公告の日から45日以内は、会社に債務の弁済又は然るべき担保の提供を請求することができる。
第175条(債権債務の承継)
会社が合併する時、合併の各当事会社の債権及び債務は、合併後の存続会社又は新設会社が承継しなければならない。
第176条(会社の分割)
会社を分割する場合、その財産についても相応に分割するものとする。
会社を分割する場合、貸借対照表及び財産明細表を作成しなければならない。会社は、分割の決議を行った日から10日以内に債権者に通知し、かつ30日以内に新聞上で公告を行わなければならない。
第177条(分割前の債務の扱い)
会社が分割する前の債務については、分割後の会社が連帯責任を負う。但し、会社が分割前に債権者と債務の弁済について合意した書面に別途約定がある場合はこの限りではない。
第178条(登録資本金の減少)
会社は、登録資本金を減少する必要がある場合、貸借対照表及び財産明細表を作成しなければならない。
会社は、登録資本金減少の決議を行った日から10日以内に債権者に通知しなければならず、かつ30日以内に新聞上で公告を行わなければならない。債権者は通知書を受領した日から30日以内、通知書を受領していない場合は公告の日から45日以内は、会社に債務の弁済又は然るべき担保の提供を請求する権利を有する。
会社の減資後の登録資本金は、法定の最低限度額を下回ってはならない。
第179条(有限会社における登録資本金の増加)
有限責任会社が登録資本金を増加する場合、株主による新たに増加する資本の出資払込の引受については、本法の有限責任会社設立の出資払込に関する規定に従って行う。 株式会社が登録資本金を増加するために新株を発行する場合、株主による新株引受については、本法の株式会社設立の株式払込金の払込に関する規定に従う。
第180条(登記事項の変更)
会社が合併又は分割し、登記事項に変更が生じた場合、法により会社登録機関で変更登記を行わなければならない。会社が解散する場合、法により会社抹消登記を行わなければならない。新会社を設立する場合、法により会社設立登記を行わなければならない。
会社が登録資本金を増加又は減少する場合、法により会社登記機関で変更登記を行わなければならない。
第10章 会社の解散及び清算
第181条(解散事由)
会社は、次の事由により、解散する。
(1) 会社定款に定める営業期間が満了したとき又は会社定款に定めるその他の解散事由が発生したとき
(2) 株主会又は株主総会が解散の決議を行ったとき
(3) 会社の合併又は分割により解散が必要なとき
(4) 法により営業許可証が取り消され、閉鎖を命じられ、又は取り消されたとき
(5) 人民法院が本法第183条の規定に基づき解散させたとき
第182条(会社定款の修正による存続)
会社に本法第181条第(1)号の事由がある場合、会社定款の修正により存続させることができる。
前項の規定に従い会社定款を修正する場合、有限責任会社のときは3分の2以上の議決権を有する株主により、株式会社のときは株主総会に出席した株主の保有する議決権の3分の2以上により採択しなければならない。
第183条(株主による解散請求)
会社の経営管理に著しい困難が生じ、引き続き存続すると株主の利益に重大な損失を被らせるおそれがあり、その他の方法によっても解決できない場合、会社の全株主の議決権の10パーセント以上を保有する株主は、人民法院に会社の解散を請求することができる。
第184条(清算委員会)
会社は、本法第181条第(1)号、第(2)号、第(4)号、第(5)号の規定により解散する場合、解散事由が生じた日から15日以内に清算委員会を成立させ、清算を開始しなければならない。
有限責任会社の清算委員会は株主により構成され、株式会社の清算委員会は董事又は株主総会で人員構成を確定する。期限内に清算委員会を成立させて清算を行わない場合、債権者は、人民法院に対し、関連人員を指定して清算委員会を設置し、清算を行わせるよう申請することができる。人民法院は、かかる申請を受理し、かつ遅滞なく清算委員会を組織し、清算を行わせなければならない。
第185条(清算委員会の権限)
清算委員会は、清算期間において次に掲げる職権を行使する。
(1) 会社財産を整理し、貸借対照表及び財産明細表を作成すること
(2) 債権者に通知し、又は公告を行うこと
(3) 清算に関連する会社の残留業務を処理すること
(4) 未納の税金及び清算の過程において生じた税金を納付すること
(5) 債権及び債務を整理すること
(6) 会社が債務を弁済した後の残余財産を処分すること
(7) 会社を代表して民事訴訟活動に参加すること
第186条(債権者への催告)
清算委員会は、成立の日から10日以内に債権者に通知しなければならず、かつ60日以内に新聞上で公告を行わなければならない。債権者は、通知書を受領した日から30日以内、通知書を受領していない場合は公告の日から45日以内に、清算委員会に債権を届け出なければならない。
債権者は、債権を届け出る時、債権に関連する事項を説明し、かつ証明資料を提出しなければならない。清算委員会は、債権を登録しなければならない。
債権の届出期間中、清算委員会は債権者に対して弁済を行ってはならない。
第187条(清算案の制定等)
清算委員会は、会社の財産を整理し、貸借対照表及び財産明細表を作成した後、清算案を定め、かつ株主会、株主総会又は人民法院に確認を求めなければならない。
会社の財産で、清算費用、従業員の賃金、社会保険料及び法定補償金を支払い、未納の税金をそれぞれ納付し、会社の債務を完済した後の残余財産は、有限責任会社については、株主の出資比率により分配し、株式会社については、株主の保有する株式比率により分配する。
清算期間において、会社は存続しているが、清算と無関係の経営活動を行ってはならない。
会社の財産は、前項の規定により弁済する前において、株主に分配してはならない。
第188条(破産宣告の申請)
清算委員会は、会社の財産を整理し、貸借対照表及び財産明細書を作成した後、会社の財産が債務の完済に不足することが判明した時は、法により人民法院に破産宣告を申請しなければならない。
会社が人民法院の裁定により破産宣告を受けた後、清算委員会は、清算事務を人民法院に移譲しなければならない。
第189条(清算の終了)
会社の清算が終了した後、清算委員会は、清算報告書を作成し、株主会、株主総会又は人民法院に確認を求め、かつ会社登記機関に提出し、会社登記抹消を申請し、会社終了の公告を行わなければならない。
第190条(清算委員会の義務)
清算委員会の構成員は、職務に忠実でなければならず、法により清算義務を履行しなければならない。
清算委員会の構成員は、職権を利用して賄賂又はその他の不法収入を収受してはならず、会社の財産を横領してはならない。
清算委員会の構成員は、故意又は重大な過失により会社又は債権者に損害を与えた場合、賠償の責任を負わなければならない。
第191条(破産清算手続)
会社が法により破産を宣告された場合、企業破産に関する法律に従い、破産清算手続を実施する。
第11章 外国会社の支店等
第192条(外国会社の支店等)
本法において外国会社とは、外国の法律により中国国外で設立された会社を指す。
第193条(支店等設立の申請、登記)
外国会社は、中国国内に支店等を設立する場合、中国の主管機関に申請を提出し、かつその会社の定款、所属国の会社登記証書等の関連文書を提出しなければならず、認可を経た後、会社登記機関で法により登記を行い、営業許可証を受領しなければならない。
外国会社の支店等の審査認可規則は、国務院が別途定める。
第194条(支店等の代表者及び資金)
外国会社は、中国国内に支店等を設立する場合、中国国内において当該支店等について責任を負う代表者又は代理人を指定し、かつ当該支店等にその経営活動に相応しい資金を支給しなければならない。
外国会社の支店等の経営資金について最低限度額を規定する必要がある場合、国務院が別途定める。
第195条(支店等の名称及び定款)
外国会社の支店等は、その名称の中に当該外国会社の国籍と責任形態を明示しなければならない。
外国会社の支店等は、当該支店等に当該外国会社の定款を備え付けなければならない。
第196条(支店等の法人格)
外国会社が中国国内に設立する支店等は中国法人の資格を有さない。
外国会社は、その支店等が中国国内で行う経営活動について民事責任を負う。
第197条(支店等の法律遵守義務)
認可を受けて設立された外国会社の支店等は、中国国内で事業活動を行うとき、中国の法律を遵守しなければならず、中国の社会公共の利益に損害を与えてはならず、その適法な権益は中国の法律による保護を受ける。
第198条(支店等を廃止する場合)
外国会社が中国国内の支店等を廃止する場合、法により債務を完済し、本法の会社清算手続に関する規定に従って清算を行わなければならない。債務を完済する前にその支店等の財産を中国国外に移転してはならない。
第12章 法律責任
第199条(不実登記)
本法の規定に違反し、登録資本金を偽って報告し、虚偽の資料を提出し、又はその他の詐欺的手段を用いて重要な事実を隠蔽して会社登記を行った場合、会社登記機関が是正を命じ、登録資本金を偽って報告した会社については、偽って報告した登録資本金額の5パーセント以上15パーセント以下の過料に処し、虚偽の資料を提出し、又はその他の詐欺的手段を用いて重要な事実を隠蔽した会社については、5万元以上50万元以下の過料に処する。情状が重いときは会社登記を取り消し、又は営業許可証を取り消す。
第200条(虚偽の出資)
会社の発起人もしくは株主が出資を偽り、出資とする貨幣もしくは非通貨財産を払い込まず、又は期限どおりに払い込まない場合、会社登記機関が是正を命じ、虚偽の出資金額の5パーセント以上15パーセント以下の過料に処する。
第201条(出資金の払戻し)
会社の発起人もしくは株主が会社成立後にその出資を払い戻した場合、会社登記機関が是正を命じ、払い戻した資金額の5パーセント以上15パーセント以下の過料に処する。
第202条(違法会計帳簿等)
会社が本法の規定に違反し、法定の会計帳簿以外に別の会計帳簿を設けた場合、県級以上の人民政府財政部門が是正を命じ、5万元以上50万元以下の過料に処する。
第203条(虚偽の財務報告)
会社が法に従い関連主管部門に提供した財務会計報告等の資料に虚偽記載又は重要事項の隠蔽があった場合、関連主管部門が直接責任のある主管人員及びその他の直接責任のある人員を3万元以上30万元以下の過料に処する。
第204条(法定準備金を積み立てない行為)
会社が本法に定める法定準備金積み立てない場合、県級以上の人民政府財政部門が積み立てるべき金額を補足するよう命じ、かつ会社を20万元以下の過料に処することができる。
第205条(債権者への未告知等)
会社が合併、分割、登録資本金の減額又は清算を行う時に、本法の規定に従って債権者に通知又は公告をしない場合、会社登記機関が是正を命じ、会社を1万元以上10万元以下の過料に処する。
会社が清算を行う時、財産を隠匿し、貸借対照表もしくは財産明細書に虚偽の記載をなし、又は債務を完済する前に会社の財産を分配した場合、会社登記機関が是正を命じ、会社に、隠匿した財産又は債務完済前に分配した会社の財産の金額の5パーセント以上10パーセント以下の過料を科す。直接責任のある主管人員及びその他の直接責任のある人員を1万元以上10万元以下の過料に処する。
第206条(清算と無関係な経営活動の実施)
会社の清算期間中に清算と無関係な経営活動を行った場合、会社登記機関が警告し、違法所得を没収する。
第207条(不実な清算報告書等)
清算委員会が本法の規定に従って会社登記機関に清算報告書を送付せず、又は送付した清算報告書に重要な事実の隠蔽もしくは重大な遺漏があった場合、会社登記機関が是正を命じる。
清算委員会の構成員が職権を利用して私利のために不正行為をなし、違法所得の獲得を謀り、又は会社の財産を横領した場合、会社登記機関が会社財産の返還を命じ、違法所得を没収し、かつ違法所得の等額以上5倍以下の過料に処することができる。
第208条(資産評価機構等の違法行為)
資産評価、出資検査又は検証を引き受けた機構が偽りの資料を提供した場合、会社登記機関が違法所得を没収し、違法所得の等額以上5倍以下の過料に処し、併せて関連主管部門は法により当該機構の営業停止を命じ、直接責任のある人員の資格証書を取り消し、営業許可証を取り消すことができる。
資産評価、出資検査又は検証を引き受けた機構が過失により重大な遺漏のある報告を提供した場合、会社登記機関が是正を命じ、情状が比較的重いときは、取得した収入の等額以上5倍以下の過料に処し、併せて関連主管部門は法により当該機構の営業停止を命じ、直接責任ある人員の資格証書を取り消し、営業許可証を取り消すことができる。
資産評価、出資検査又は検証を引き受けた機構がその発行した評価結果、出資検査又は検証の証明が不実であったことにより、会社の債権者に損失をもたらした場合、自らに過失がなかったことを証明できる場合を除き、その評価又は証明が不実であった金額の範囲内で賠償責任を負う。
第209条(登記申請の違法認可)
会社登記機関が本法に定める条件に合致しない登記申請を登記した場合、又は本法に定める条件に合致する登記申請を登記しない場合、直接責任のある主管人員及びその他の直接責任のある人員に対し、法により行政処分を行う。
第210条(登記機関の上級部門の命令による違法登記)
会社登記機関の上級部門が会社登記機関に強制的に命令し、本法に定める条件に合致しない登記申請について登記させた場合、又は本法に定める条件に合致する登記申請を登記しない場合、又は違法登記を庇護した場合、直接責任のある主管人員及びその他の直接責任ある人員に対し、法により行政処分を行う。
第211条(有限会社又は株式会社の名称冒用)
有限責任会社もしくは株式会社として法により登記していないにもかかわらず、有限責任会社もしくは株式会社の名称を冒用した場合、又は有限責任会社もしくは株式会社の支店として法により登記していないにもかかわらず、有限責任会社もしくは株式会社の支店の名称を冒用した場合、会社登記機関が是正を命じ、又は取り締まり、10万元以下の過料を併科することができる。
第212条(未開業、営業停止、未変更登記)
会社成立後、正当な理由なくして6か月を超えても開業せず、又は開業後に連続6か月以上自ら営業を停止している場合、会社登記機関は、営業許可証を取り消すことができる。
会社の登記事項に変更が発生した時に、本法の規定どおりに関連の変更登記を行わない場合、会社登記機関が期限を定めて登記するよう命じ、期限を過ぎても登記しないときは1万元以上10万元以下の過料に処する。
第213条(外国会社支店等の無断設立)
外国会社が本法の規定に違反し、無断で中国国内に支店等を設立した場合、会社登記機関が是正又は閉鎖を命じ、5万元以上20万元以下の過料を併科することができる。
第214条(国家の安全等を脅かす違法行為)
会社の名義を利用して国家の安全、社会公共の利益を脅かす著しい違法行為に従事した場合、営業許可証を取り消す。
第215条(民事賠償責任の優先)
会社が本法の規定に違反し、民事賠償責任を負い、かつ過料、罰金を納入すべき場合において、その財産が支払いに不足するときは、民事賠償責任を優先して負うものとする。
第216条(犯罪を構成する場合)
本法の規定に違反し、犯罪を構成する場合は、法に従い刑事責任を追及する。
第13章 附則
第217条(用語の定義)
本法における次の各号に掲げる用語の定義は、以下のとおりとする。
(1) 高級管理職とは、会社の総経理、副総経理、財務責任者、上場会社の董事会秘書及び会社定款に定めるその他の者を指す。
(2) 支配株主とは、その出資額が有限責任会社の資本総額の50パーセント以上を占める株主、又はその保有する株式が株式会社の株式資本総額の50パーセント以上を占める株主、並びに出資額又は保有株式の比率が50パーセント未満であるが、その出資額又は保有株式により有する議決権が株主会又は株主総会の決議に重大な影響を与えるのに十分な株主を指す。
(3) 実質的支配者とは、会社の株主ではないが、投資関係、協議又はその他の手配によって会社の行為を実質的に支配できる者を指す。
(4) 関連関係とは、会社の支配株主、実質的支配者、董事、監事、高級管理職とその直接又は間接的に支配する企業との間の関係、及び会社の利益移転をもたらす可能性のあるその他の関係を指す。但し、国が持分を支配する企業間では、国に支配を受けているということのみにより関連関係があるとはみなさない。
第218条(外商投資企業への準用)
外商投資による有限責任会社及び株式会社には本法を適用する。外商投資に関する法律に別途規定がある場合はその規定を適用する。
第219条(施行日)
本法は 2006 年 1 月 1 日より施行する。
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