中国Zビザ・就労ビザとは
中国で外国人が収入を得るには、必ず「就労ビザ(Zビザ)」を取得する必要があります。
Zビザはその第一ステップであり、渡航後に「外国人工作許可証」と「居留許可」を取得することで、正式な就労ビザとなります。
短期のアルバイトや副業でも、就労ビザなしで報酬を受け取ると「不法就労」とみなされ、罰則の対象になります。
中国では、ビザの種類と実際の活動内容が厳密に照合されるため、制度の正しい理解が重要です。
このページでは、就労ビザの制度概要、取得条件、申請の流れ、違反時のリスクについてわかりやすく解説しています。
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取得条件と必要書類
中国で就労ビザ(Zビザ)を取得するには、雇用主(中国側企業)からの正式な招聘が前提となります。
申請者個人の条件と、企業側の手続きが両方整って初めて、ビザ申請が可能になります。
🔹 主な取得条件(申請者側)
• 学歴:原則として大学卒業以上(学士号)
• 職歴:関連分野での実務経験が2年以上
• 年齢:通常は18歳以上60歳未満(職種によって例外あり)
• 無犯罪証明:母国または居住国での無犯罪証明書が必要
• 健康状態:健康診断(中国入国後に実施)で就労に支障がないこと
必要書類(企業と申請者が準備)
| 書類名 | 説明 |
|---|---|
| 雇用契約書 | 中国企業との正式な雇用契約書(署名済) |
| 就業許可通知書 | 中国人力資源社会保障部門が発行する「外国人就業許可通知」 |
| パスポート | 有効期限が十分に残っていること(通常6か月以上) |
| 学歴証明書 | 卒業証書のコピーと翻訳文(公証が必要な場合あり) |
| 職歴証明書 | 過去の勤務先からの証明書(翻訳文含む) |
| 無犯罪証明書 | 公的機関発行の証明書+翻訳文(公証が必要な場合あり) |
| 健康診断書 | 日本の国公立病院もしくは中国の指定病院 |
ご本人が用意する資料で下記の書類は外務省のアポスティーユ認証が必要です。
1 卒業証明書
※公印確認が必要
2 犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)
※外務省のアポステーユ認証が必要
必要書類の認証について
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無犯罪証明書(犯罪経歴証明書)や健康診断書の有効期限は、発行日から6ヶ月以内です。
日本でアポステーユ認証した書類 (無犯罪証明書) は、中国政府の指定翻訳会社で翻訳する必要があります。
中国政府指定の翻訳会社の印鑑が押してないと正式文書として扱われません。
これらの条件と書類は、中国政府が外国人労働者の適格性を判断するための基準です。
制度は年々厳格化しており、虚偽申請や不備があると申請却下や罰則の対象となる可能性があります。
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申請の流れ
中国で正式に働くためには、Zビザの取得と、入国後の「居留許可」の申請が必要です。以下が一般的な流れです:
① 中国企業との雇用契約
まず、中国側の企業と正式な雇用契約を結びます。
この契約をもとに、企業側が「外国人就業許可通知書」の申請を行います。
② 外国人就業許可通知書の取得
中国の人力資源社会保障部門が審査を行い、問題がなければ「外国人就業許可通知書(Notification Letter of Foreigner’s Work Permit)」が発行されます。
この通知書が、Zビザ申請の根拠となります。
③ Zビザの申請(在外中国領事館)
申請者は、外国人就業許可通知書を持って居住国の中国大使館または領事館でZビザを申請します。
この時点ではまだ「入国許可」にすぎず、就労はできません。
④ 中国入国と健康診断
Zビザ(30日シングル)で中国に入国後、指定の医療機関で健康診断を受けます。
健康診断結果は、居留許可申請に必要です。
⑤ 居留許可の申請(公安局)
入国後30日以内に、所在地の公安局出入境管理部門で「居留許可(工作類)」を申請します。
この申請には、中国人力資源社会保障部門が発行した「外国人工作許可証電子版」の取得・登録が完了していることが前提となります。
外国人工作許可証は、就業許可通知書に基づいて入国後に正式発行されるもので、電子版としてオンライン登録され、公安局の審査に使用されます。
この許可証と健康診断結果をもとに、公安局が居留許可を審査・発行します。
居留許可が発行されて初めて、中国国内での合法的な就労が可能になります。
この許可は滞在期間中の身分証明にもなり、更新・延長・転職時にも必要となる重要な制度書類です。
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違反リスクと罰則
中国では、ビザの種類と実際の活動内容が厳密に照合される制度が運用されています。
就労ビザ(Zビザ)を取得せずに収入を得る行為は「不法就労」とみなされ、以下のような罰則を受ける可能性があります。
🔹 主な違反例
• Mビザや観光ビザでの就労
→ 商談や展示会参加を目的としたMビザで、実際に報酬を得る業務を行うと違反となります。
• 虚偽申請・書類偽造
→ 学歴・職歴・無犯罪証明などを偽って申請した場合、重大な制度違反とされます。
• 社会保険未加入
→ 居留許可を取得した後も、外国人には社会保険加入義務があり、未加入は摘発対象となります。
| 違反内容 | 罰則例 |
| 不法就労 | 罰金(本人最大5000元)、強制送還、再入国禁止 |
| 虚偽申請 | ビザ取消、信用記録への登録、企業側への行政処分 |
制度違反は、本人だけでなく企業側にも重大な影響を及ぼす可能性があります。
特に「制度誤解による違反」は摘発対象になりやすく、事前の制度理解と適切な手続きが不可欠です。
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制度誤解を防ぐために
中国の就労制度は、外国人工作許可証(電子版)・居留許可(工作類)・社会保険加入義務の3つが連動する仕組みになっています。
これらはそれぞれ「就労資格」「滞在・活動の根拠」「法的義務」を担っており、制度全体を正しく理解することが違反リスクの回避につながります。
しかし、制度の複雑さや情報の断片性、そして地域や業種による運用のばらつきにより、以下のような誤解が広がりやすい状況です:
• 「就労ビザさえあれば働ける」
• 「短期なら保険は不要」
• 「周囲も加入していないから問題ない」
実際、たとえば上海など一部の都市では、制度上は社会保険加入が義務であるにもかかわらず、実務上は未加入のまま働いている外国人も少なくありません。
しかし、これは制度が黙認しているわけではなく、あくまで現場の運用上の“グレーゾーン”に過ぎず、制度違反とみなされる可能性があります。
これらの誤解は、本人の意図に関係なく摘発対象となる場合があり、企業側の信用にも影響します。
そのため、「周囲がやっているから大丈夫」という判断ではなく、制度の全体像を理解したうえで、就労・滞在・保険の各制度を連動して管理することが不可欠です。
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中国で各種ビザを申請する場合は、必ず境外人員臨時住宿登記単(臨時宿泊登記証)が必要です。
外国人は中国へ入国された時、引っ越しなどでご住所が変わった時には24時間以内(原則)に登録する必要があります。
※更新などでパスポートナンバーが変わった場合も再登録が必要です…
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⚠️ 中国で働くための基本ルール(簡易版)
中国では、外国人が働くには
外国人工作許可証(電子版)と居留許可(工作類)の両方が必要です。
申請中も含め、これらが揃う前に働くと不法就労となり、
罰金・拘留・強制送還などの処罰を受ける可能性があります。
企業側も、許可を持たない外国人を雇用すると、
最大10万元の罰金などの行政処分を受けることがあります。
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🧾 申請中の注意点
居留許可の申請時は、パスポートを公安局に預けます。
代わりに発行される「申請控え(写真付き)」で、国内移動やホテル宿泊は可能ですが、銀行などではパスポート原本が必要です。
出入境管理処に居留許可を申請すると、通常は7営業日でパスポートが返還されます。
申請控えに記載されている期日にパスポートが戻ってこない場合は、下記の方法で状況確認ができます。
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居留許可申請の状況確認方法
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Zビザと就労ビザの違い(簡易版)
日本で取得する「Zビザ」は、中国で就労ビザ(=外国人工作許可証+居留許可)を取得するために渡航するための30日間のシングルビザです。
このZビザは更新できず、中国入国後に居留許可を申請する必要があります。
• Zビザは、発行日から90日以内に渡航し、入国後30日以内に居留許可申請を完了する必要があります。
• 居留許可をZビザの滞在期限の最終日に申請しても、オーバーステイにはなりません。
🛂 短期就労ビザ(Zビザ)のしくみ
中国には、**長期就労ビザとは別に「短期就労ビザ」**という制度があります。
これは、Zビザで入国し、居留許可に切り替えて最長90日間だけ滞在・就労するケースです。
✅ 対象となる活動(例)
- 技術協力・研究・管理・指導(中国の提携先で)
- スポーツ関連のトレーニング(監督・選手など)
- 映像撮影(広告・ドキュメンタリーなど)
- モデル出演(ファッションショー・広告撮影など)
- 海外商業公演
- その他、人力資源社会保障部門が認定した活動
⚠️ 注意点
- 0日以内でも上記の業務を行う場合は、Zビザが必要です。
- 91日を超える場合は、長期就労ビザ(Z)+居留許可(1年など)が必要になります。
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お知らせ
2024年12月1日から外国人工作許可証のカードを社会保険カードと統合し、元の外国人工作許可証の情報が社会保障カードに統合される。
外国人の就労許可情報が社会保障カードに収められ、2024年12月1日以降は外国人工作許可証のカードを発行はされない。
今後、外国人も社会保険カードのアプリを通じて登録し、氏名、工作許可証番号または社会保険番号で身分検証を完了した後に、工作許可証情報を含む電子社会保障カードを取得することができる。
既に取得している外国人工作許可証(カード)が有効期間内にある場合、政府の書類に基づき「変更・更新しない」原則に照らし、外国人が現有の工作許可証を延期或いは変更を申請する際に関連手続きを行い電子版に切り替わる。
![]() 外国人工作許可証電子版 |
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![]() 居留許可 |
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外国人在中就労許可制度
外国人在中就労許可制度は外国人が中国での就労を申請する際に、中国政府が実施する統一した許可基準と審査・承認・監督・管理の制度である。
外国人在中就労許可は元の『外国専門家在中就労許可証』、『外国人就労許可証』を『外国人就労許可通知』に統一させ、電子形式を採用しているため、雇用企業及び外国申請者は直接オンラインでプリントアウトすることができる。
元『外国専門家証』と『外国人就労証』は『外国人就労許可証』に統一され、外国人が中国で就労する場合の合法的な証明書類として、「一人に一つの番号」が与えられ、一生変わらないものである。
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就労ビザを取得できる条件
中国で就労ビザ(Zビザ+居留許可)を取得するには、以下の条件が一般的です:
• 25歳以上であること(男女問わず)
• 大学卒業(学士)+2年以上の職務経験
• または、高校・専門学校卒業でポイント制で60点以上を取得していること
🧓 年齢制限について
• 原則として、60歳の誕生日まで取得可能
• 一般社員でも60歳を超えて申請は可能ですが、審査で却下されることもあります。
• ただし、会社の株主や法定代表人であれば、ポイント申請で取得可能です。
🏢 申請元の会社について
• 就労ビザは、中国で登記された会社(○○○○有限公司)から申請します。
• 個人経営の飲食店や資本金が少ない会社では、申請が認められない場合があります。
🌏 居住地による申請の違い
• すでに中国(例:上海)に滞在している場合
→ Zビザを申請せずに、外国人工作許可証+居留許可の取得が可能なケースもあります
• 日本(海外)にいる場合
→ まず「外国人工作許可通知」を取得し、
→ 日本の中国大使館(またはビザ申請センター)でZビザを申請
→ 中国渡航後に「外国人工作許可証」と「居留許可」を取得します。
※地域によっては、一度帰国してZビザで渡航するよう求められる場合があります。
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中国で各種ビザを申請する時に、入国スタンプが必要です。
外国人(14歳~70歳)は中国入国時に指紋を照合されるとともに顔画像を撮影されます。
また、中国の出入国審査においては「自動化ゲート」が利用可能です(長期滞在者のみ、要事前登録)。しかし、「自動化ゲート」を利用すると出入国印がパスポートに押されません。ホテルでの宿泊の際に入国日を確認されることがあるため、「自動化ゲート」利用の際には、出入国の証憑を印刷するサービスがあるので、これを併せ利用することをお勧めします。
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⚠️ 就労開始のタイミングと注意点(簡易版)
・就労ビザを取得した会社でのみ働くことができます。
・申請中は原則として勤務できません
(※一部地域で黙認されるケースもありますが、制度上は不法就労とみなされる可能性があります)
・就労ビザを取得した会社以外で働くことはできません。
→ 例:上海本社で取得した就労ビザで、他地域の関連会社に勤務すると不法就労になります。
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会社を退職した場合
就労ビザを取得した会社を退社すると、原則的に退社日から10日以内に就労ビザ(外国人工作許可証と居留許可)を取り消し、退去用の停留ビザに変更する必要があります。
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外国人工作許可証の取り消し証明を取得していないと、次の就労ビザの申請ができませんのでご注意ください。 |
会社を退職しても就労ビザの取り消しをしないでそのまま滞在していると不法滞在とみなされるケースがあります。
「出入国管理法」には、不法滞在には1万元以下の罰金または15日以下の拘留を科す、不法就労には2万元以下の罰金及び15日以下の拘留を科し悪質な場合は国外退去処分とするとあります。
国外退去処分になれば5年間の入国禁止になることがあります。
悪質と判断され、このケースで5日間拘留され3万元の罰金を科せられたかたが居ます。
会社を退職したら居留許可を10日以内に取り消す決まりがあるので、11日目以降は不法滞在と判断されるケースがあり、不法滞在中の不法就労になると悪質と判断されます。
※ある会社を退職しても居留許可を取り消さないで、日本語学校などでアルバイトしていた場合など。
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就労ビザを取得後に住居や事務所が移転した場合
「中華人民共和国出入国管理法」
1 居住地を変更した外国人
住居変更後24時間以内(状況により48時間まで延長可)に、現地警察署(派出所)または「一網通办」プラットフォームへ届け出る必要があります。
届出方法
窓口申請:パスポート、在留カード、新住所証明(賃貸契約書・不動産権利証等)を持参し、管轄派出所で手続き。
オンライン申請:「随申办」APPまたは上海公安出入国管理局電子政務プラットフォームから申請可能。
2. 勤務先住所変更(就労系在留資格保有者対象)
勤務先または職場住所が変更された場合、10日以内に上海市出入国管理局へ変更登録を申請。
必要書類
パスポート及び在留許可原本
新勤務先の営業許可証コピー(社印押印)
新勤務先発行の雇用証明書
「外国人就業許可証」変更情報(該当する場合)
3. 届出遅延の罰則
期限までに変更手続きを怠った場合、警告・罰金(500~2000元)の対象となり、在留許可の更新や切り替えに影響する可能性があります。
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申請について
一般申請(4年制大学卒業で学士を持っている)
ポイント申請(学士が無い場合)
※ポイント換算表で60点になれば就労ビザの取得が出来ます。
※60歳を過ぎている場合は就労ビザの申請はできますが、却下されるケースもあります。
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就労ビザの申請が却下される主な理由
外国人工作許可証を取得したら、出入境管理処に居留許可を申請しますが、出入境管理処が幽霊会社では無いかを見に行くケースが増えています。
事務所が共同で何社も入っているとか、事務所が独立してなくドアに会社の看板が無いとか、生活感が無いというケースで却下されるケースも増えています。
日本の犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)が取得できない場合は就労ビザは申請できません。
過去に不法就労で罰金刑を受けた場合なども却下されているケースがあります。
中国では、超過滞在(オーバーステイ)を含む不法滞在は、パスポートの出入国スタンプから判別されるほか、公安局出入境管理部門が電子的に履歴を管理しています。たとえパスポートを更新しても、過去の滞在履歴や違反記録は内部データとして保持されており、履歴を隠すことはできません。
不法滞在と判断された場合、罰金・拘留・再入国禁止などの処分を受ける可能性があります。
就労ビザ更新時の注意点
居留許可の残り期限が30日を切ると更新手続きはできなくなります。
会社の売り上げが全く無いとか、発票を出してなく納税をしていないなどの場合、幽霊会社とみなされ更新ができないケースもあります。
就労ビザ取得後の注意点
就労ビザを取得した後、勤務地が変わったら同じ会社でもその勤務地で就労ビザを取り直す必要があります。
上海本社で就労ビザを取得しても、蘇州の事務所へ転勤になった場合など、勤務地蘇州の就労ビザへの切り替えが必要です。
不法就労として、摘発されたかたがけっこう居ますので、ご注意ください。
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Zビザの申請
1 査証申請表:オンラインフォームをご記入し印刷してください。
https://bio.visaforchina.org/TYO2_JP/generalinformation/news/283426.shtml
2 申請票を印刷し、外国人工作許可通知と一緒に提出する。
尚、日本でのビザ申請は本人申請になりますが、中国大使館指定の旅行代理店による代理申請も可能です。
代理店情報⇒
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申請者が日本で用意する書類 無犯罪証明書(犯罪経歴証明書) ※アポステーユ認証が必要 最終学歴の卒業証明書 ※公印確認が必要 健康診断書 ※渡航後に健康診断も可能 職歴の証明 ※勤務していた会社の退職証明書 |
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「制度全体の流れや関連情報は、glink21総合案内をご覧ください」
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参考法律
取得したビザの発給条件に違反すると罰則を受けます。
中華人民共和国外国人入境出境管理条例
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